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四川省大地震からの復興支援のために

8件の草の根・人間の安全保障無償資金協力案件に署名

(09.01.14)

 

 

 1月14日、四川省大地震からの復興支援の一環として、草の根・人間の安全保障無償資金協力案件「四川省松潘県川主寺鎮上水道整備計画」他計8件の贈与契約署名式が、成都において執り行われました。署名式には、宮本大使、富田在重慶総領事他当館館員若干名、中国側より黄小祥・四川省副省長、易小準・商務部副部長他が出席しました。


 なお、この機会を利用して、以前に表明していた支援の一環である救急車の寄贈も併せて行ないました。

 

 

【署名案件Ⅰ】


(1)案件名:四川省松潘県川主寺鎮上水道整備計画


(2)被供与団体:四川省松潘県人民政府


(3)案件概要


 四川省北部の松潘県川主寺鎮において、上水道設備(引水池、貯水池、浄水器、配水管敷設)を整備するための資金を供与する。


(4)案件の社会的背景・ニーズ


 四川省北部に位置するアバ・チベット族チャン族自治州松潘県は、面積8,339k㎡。人口71,960人のうち49,372人(約68%)がチベット族、チャン族、回族などの少数民族である。人々は主に農牧業により生計を立てているが、平均年収は2,641元と低く止まり、省級貧困県の指定を受けている。


 同県は、2008年5月12日の四川大地震の「重度被災地区」であり、大地震の影響で全県の交通、エネルギー、通信、給水等の基礎施設の大部分が崩壊し、また民家、農作物、家畜などへも多大な被害が出た。


 プロジェクトサイトである黒斯村及び金河ハ村は、それぞれ人口378人、441人の山あいにあるチベット族の農村であるが、地震によって一部の道路のひび割れ、家屋の損傷(立て直しが必要な家屋の数は黒斯村が34棟、金河ハ村が9棟)等の被害を受けた。ただし、この地域の家屋は木造建築のため、完全に倒壊した家屋はなく、人的被害も死亡者数は0、けが人も数名程度で済んでいる。


 水道については、地震が発生する前には、黒斯村は水源地から各戸への給水設備が設置され、金河ハ村も水源地から水を引いた共同給水場が2か所あった。しかし、地震後は、黒斯村の水源地は涸れ、全く水が出なくなり、金河ハ村の水源地も水量が地震前の5分の1となり、片方の共同給水場では全く水が出なくなってしまった。このため、村民たちは3kmほど離れた場所にある水場まで水を汲みに行くか、または近くの川の水(水質が悪く飲料水としては適さない)を利用するしかない状況に置かれている。


 飲用水の確保は住民らの経済的・身体的負担を軽減させ、早期復興の基礎となるものであるため、上水道設備の整備は急務である。


(5)裨益効果


 本件の実施により、松潘県川主寺鎮の黒斯村及び金河ハ村の住民819人が安全な飲用水を確保できるようになる。


(6)供与限度額82,555米ドル(2008年10月20日現在:9,328,715円、約56万元相当)

 

 

【署名案件Ⅱ】


(1)案件名:四川省都江堰市虹口郷上水道整備計画


(2)被供与団体:四川省都江堰市人民政府


(3)案件概要


 四川省中部の都江堰市において、上水道設備を整備するための資金を供与する。


(4)案件の社会的背景・ニーズ


 四川省中部に位置する都江堰市(県級市)は、人口約63万人、面積1,208k㎡を有する。主要な産業は観光業や商業貿易業等のサービス業で、県民の平均年収は11,677元である。


 同市は、2008年5月12日の四川大地震の「重度被災地区」であり、死傷者も多く、また多くの家屋が倒壊した。市全域の教育、医療等の基礎施設が被害を受けたほか、第三次産業も大打撃を受けるなど、直接的経済損失は530億元に及んでいる。2008年は地震の影響を受け都江堰市の総生産は46.4%減少するなど経済被害も甚大であるが、現在上海をはじめとする中国全国からの援助のもと、3年で完全復興、5年でレベルアップを目指している。


 プロジェクト実施サイトである虹口郷は大地震で壊滅的な打撃を受けた。市内へ通ずる山道は、あちこちで大規模な山崩れ、崖崩れ、落石が発生しており、道路が完全に寸断された箇所もある。同郷政府の建物も倒壊し、現在は仮設役場で業務が行われている。家屋はほぼ全滅に近い壊滅的な被害を受けており、住民たちは臨時に張られたテントやがれきを利用して作ったバラックでの生活を余儀なくされている。家屋の再建は進んでおらず、復旧が完成するのは来年末頃になると見込まれている。


 特に虹口郷場鎮及び紅色村では、それぞれ死者2名と14名が出たほか、村の地盤は6~7mほど沈下するなどの被害が出て水道網が破壊されたため、村民2249人(場鎮1500人、紅色村749人)の飲用水及び主要作物であるキウイ、トウモロコシ、厚朴(漢方薬の原料)の生産に必要な水の確保が困難になった。もともと同郷では震災前に公共の水道設備がなかったため、村民は各々水源地から水を引くホースを設置し、水を確保していたが、それらの設備も地震の被害を受けたため、現在村民は3キロ以上離れた水源地までオートバイや自転車で水を汲みに行ったり、泥水など不衛生な水を飲用水として利用したりしている。


 水の確保は当地復興にも不可欠であり、上記のような問題を解決すべく、同郷に沈澱池、貯水池、浄水設備等を整備するとともに、新たに各戸へ水道を引き、住民らの経済的・身体的負担を軽減させることは急務である。


(5)裨益効果


 本件の実施により、虹口郷場鎮及び紅色村の村民2,249人が安全な飲用水を確保できるようになる。


(6)供与限度額87,330米ドル(2008年10月20日現在:9,868,290円、約59万元相当)

 

 

【署名案件Ⅲ】


(1)案件名:四川省広元市青川県観音店郷上水道整備計画


(2)被供与団体:四川省広元市青川県人民政府


(3)案件概要


 四川省広元市青川県観音店郷において、上水道設備を整備するための資金を供与する。


(4)案件の社会的背景・ニーズ


 四川省北部、甘粛省境に位置する広元市青川県は、人口25万人、面積3,269k㎡を有する。人々は農業や林業などにより生計を立てているが、平均年収は2,600元と低く止まり、1987年から省級貧困県の指定を受けている。同県は、2008年5月12日の四川大地震の「重度被災地区」であり、大地震の影響で学校、医院、給水等の公共基礎施設の大部分が崩壊した。


 同県観音店郷は、険しい渓谷の中にあり、耕地面積も小さいため、さつまいも、とうもろこし、ジャガイモを自給自足し、きくらげ、くるみ等の生産を主な産業としている。また、プロジェクトサイトである同郷観音村は、面積13.5平方キロメートル、平均年収2240元、地震前の人口は1651人であり、そのうち貧困住民は252人である。四川大地震及び余震により、同郷観音村では、死亡6名、重傷5名、住宅539戸中145戸が崩壊し、今も余震が続いている。現在、人々は数キロ離れた小川や水源まで水を汲みに行くか、ゴム管を引いて使用しており、毎日多大な労働力を飲用水確保に費やさなければならない。同村は、地震によって倒壊した住宅等を再建する際、建設地域を集中させる地域になり、最終的に450戸2150人が生活する予定であるが、その際に水道設備を完備する必要性が高い。さらに、現地では国家重点プロジェクトである「蘭海高速道路」の建設が控えており、当地には他地区から多くの住民が集まってきているが、水の確保が困難であることは、現地復興の妨げにもなっている。


 上記のような状況を改善するために同郷に濾過池、貯水池、浄水設備を整備するとともに、新たに各戸へ水道を引き、住民らの経済的・身体的負担を軽減させることは急務である。


(5)裨益効果


 本件の実施により、観音店郷観音村の住民2,500人が安全な飲用水を確保できるようになる。


(6)供与限度額87,473米ドル(2008年10月6日現在:9,884,449円、約60万元相当)

 

 

【署名案件Ⅳ】


(1)案件名:四川省彭州市敖平鎮公立衛生院改修及び医療機材整備計画


(2)被供与団体:四川省彭州市人民政府


(3)案件概要


 四川省中部に位置する彭州市敖平鎮公立衛生院において、外来病棟(1,299.33㎡)及び塀の改修補強工事をおこない、併せて医療機材2点を整備するための資金を供与する。


(4)案件の社会的背景・ニーズ


 四川省中部に位置する彭州市は人口約78万人、面積1,420k㎡を有する。主要な産業が工業や観光業の「小康市」であり、県民の平均年収は都市部で約7,000元、農村部でも約3,800元である。


 同市は、2008年5月12日の四川大地震の「重度被災地区」であり、大地震の影響で敖平鎮では15,128間(部屋数)が倒壊し、6名が死亡、107名が負傷した。また、橋梁も被害を受けた。


 同市敖平鎮公立衛生院(医師数40人、看護師数50人、職員40人、ベッド数50床)は、1952年創立の鎮中心衛生院であり、同鎮及び周辺地域の住民20万人余りに対して医療サービスを提供している。同院には内科、外科、産婦人科が設けられており、年間のべ12万人の患者を診察している。また、同市の支援を受け、2007年に新病棟を建設している。


 同衛生院では地震の影響により、周囲の塀300mが倒壊し、新病棟にも各所にひび割れが発生し、雨もりが生じるなどの被害を受けたほか、医療機器11台も地震の揺れで落下して使用不能となった。


 このように、病棟や医療機器が被害を受けたために、正常な診察、診療を行うことができず、患者や医師らは危険な環境の下での診察を余儀なくされている。また、防犯対策のため、応急措置として煉瓦を積み上げているが、強度が低く崩れる可能性が高い。更に、地震発生後、①被災者を無料で診察したこと、②被災者の収入減により来院者が減少したこと、③被災者が支援物資(薬品)を利用したことにより、来院者が減少したこと、④環境悪化により職員の仕事への意欲が低下したこと、等の理由が重なり、同院の6-8月の営業収入は毎月19万元と昨年同期比較で40%も減少し、地震後の病気予防業務を実施する費用も捻出できずにいる。
上記のような状況を改善するため、使用不可能となった器材を買い替え、併せて危険建築物及び塀の改修補強工事を行うことは急務である。


(5)裨益効果


 本件の実施により、敖平鎮の中心的な病院機能が震災前の状態に復旧し、敖平鎮及び周辺地域の住民約20万人の医療条件が改善され、安全な医療環境の下で診察、診療を受けることが可能となる。


(6)供与限度額79,214米ドル(2008年10月20日現在:8,951,182円、約54万元相当)

 

 

【署名案件Ⅴ】


(1)案 件 名:甘粛省康県大南峪郷大南溝小学校校舎建設計画


(2)被供与団体:甘粛省康県人民政府


(3)案件概要:


 甘粛省康県大南峪郷の大南溝小学校において、校舎1棟(鉄筋コンクリート構造、2階建て、建築面積500㎡、教室6、職員室2、図書室1、特別教室2)を建設するための資金を供与する。


(4)案件の社会的背景・ニーズ:


 甘粛省康県は甘粛省の東南部に位置し、省都・蘭州より約550kmの距離に位置する。2008年5月12日に発生した四川大地震の震源である四川省文県からは290kmの距離に位置し、同県も地震被害が及んだ。人口は20.2万人、うち少数民族2020人が住んでおり、面積は約3000k㎡。70%が山間部で主要な産業は農業であり、主な農作物は、小麦、とうもろこし、大豆、くるみ、栗、きのこなど。その他の特筆すべき産業が無いこと、交通が発達しておらず、農産品を商品に替える力が不足していること等が要因で、経済発展が立ち遅れている。1992年より国家級貧困県に指定されており、県民の平均年収は1297元(約20000円)と低い。


 大南峪郷大南溝小学校は、大南峪中心学校(9年一貫制小学)管轄下の学校で、全6学年、3クラスの計61人が学ぶ小学校である。同校の校舎は2008年5月12日に発生した四川大地震の際、既存(1階建て2棟、土壁構造、320㎡、1972年建設)の校舎全てに被害が及び、倒壊の危険性もあるD級危険建物の指定を受けた。これにより児童は同敷地内に建てられた仮設教室にて暫時授業を受けており、6年生児童については一時的に中心小学校に移転している情況で、新校舎の建設が急務となっている。


 本件の実施により貧困地域の教育環境が改善される必要性、意義は非常に大きく、また、実施後、学校名に「中日友好」が付与される。


(5)裨益効果:


 四川大地震による校舎倒壊被害を受けた康県大南峪郷大南溝小学校の在校生61人、教職員3人が快適で安全な学習環境の下で授業を行うことができるようになる。


(6)供与限度額:87,719米ドル(2008年10月6日現在:9,912,247円、約60万元相当)


(7)特記事項:


 本件の竣工後、コクヨ・インターナショナル株式会社より大南溝小学校に対しノートが寄贈されることになっている。

 

 

【署名案件Ⅵ】


(1)案 件 名:甘粛省文県中寨郷新寨小学校校舎建設計画


(2)被供与団体:甘粛省文県人民政府


(3)案件概要:


 甘粛省文県中寨郷の新寨小学校において、地震被害復興の為、校舎1棟(レンガコンクリート構造、2階建て、建築面積460㎡、教室8、職員室2)、トイレ(24㎡)を建設するための資金を供与する。


(4)案件の社会的背景・ニーズ:


 甘粛省文県は甘粛省の南部に位置し、省都・蘭州より約730kmの距離に位置する。2008年5月12日に発生した四川大地震の震源からは280kmの距離に位置し、同県も地震被害が及んだ(死者118名、うち学生5名、教師2名)。人口は約24.84万人、うち少数民族1.57万人が住んでおり、面積は約4500k㎡。主要な産業は農業だが、その他の特筆すべき産業が無い為、経済発展が立ち遅れている。主な農作物はとうもろこし、小麦、米。1987年より国家級貧困県に指定されており、県民の平均年収は1354元(約22000円)と低い。


 中寨郷新寨小学校は6年、6クラスの計127名が学ぶ小学校である。同校の校舎は2008年5月12日に四川省にて発生した大地震の際、既存(1階建て2棟、土壁建築構造、1960年設立、1980年修復)の校舎全てに被害が及び、倒壊の危険性もあるD級危険建物の指定を受けた。これにより、現在学生は、仮設教室(テント及びプレハブ)で授業を行っており、新校舎の建設が急務となっている。


 本件の実施により貧困地域の教育環境が改善される必要性、意義は非常に大きく、また、実施後、学校名に「中日友好」が付与される。


(5)裨益効果:


 在校生127名、教職員7名が安全で快適な学習環境の下で授業を行うことができるようになる。


(6)供与限度額:87,002米ドル(2008年10月6日現在:9,831,226円、約59万元相当)


(7)特記事項:


 本件の竣工後、コクヨ・インターナショナル株式会社より新寨小学校に対しノートが寄贈されることになっている。

 

 

【署名案件Ⅶ】


(1)案件名:陝西省略陽県疾病予防センター検査棟建設計画


(2)被供与団体:陝西省商務庁


(3)案件概要


 陝西省略陽県疾病予防センターにおいて、新たに検査棟1棟(鉄筋コンクリート構造、5階建て、759.21㎡)を建設する。


(4)案件の社会的背景・ニーズ


 陝西省南西部に位置する漢中市略陽県は面積約2,831k㎡、人口約20万人。主要産業は鉄鋼業及び農業であるが、耕地面積が狭く生産量も少ないことから、県民の平均年収は4,951元と伸び悩んでおり、国家級貧困県に指定されている。


 同県中心は、周囲を山に囲まれた谷間に位置するうえ街中を河川が横切っている。土地が狭いため、平屋はなく、ビルが密集している。2008年5月12日の四川大地震では、死者10人、負傷者130人を出したほか、県中心では1000棟近くの建物が、農村部では27,600戸が被害を受けた。


 2005年に建設された疾病予防センターは、職員38名、衛生技術員28名、その他職員10名で、主な業務内容は健康診断、健康相談及び研修と生活用水水質検査である。このほか、学校や農村を巡回し、カシン・ベック病やクレチン病予防の宣伝活動を行っている。


 四川大地震では、同センターの既存建物も壁にヒビが入る、梁に亀裂が入るなどの被害をうけC級危険建物に指定され、検査機材などを置くに耐える十分な強度が補償できない状態となっているなど、正常な検査作業が行えない情況にある。


(5)裨益効果


 センターが正常に機能し、全県20万人が直接的・間接的に病気感染から保護される。


(6)供与限度額88,105米ドル(2008年10月4日現在:9,955,865円、約60万元相当)

 

 

【署名案件Ⅷ】


(1)案件名:陝西省南鄭県陽春鎮泉溝村上水道整備計画


(2)被供与団体:陝西省商務庁


(3)案件概要


 陝西省南鄭県陽春鎮において、新たに上水道の整備(井戸掘削、浄水場、水道管敷設等)を行う。


(4)案件の社会的背景・ニーズ


 陝西省西南部に位置する南鄭県は面積2,849k㎡、人口54.72万人。農業と観光業が盛んで、県民の平均年収は8,450元である。


 陽春鎮は丘陵地帯であり、同鎮住民は、もともと浅井戸を掘り飲用水として使用していたが、近年農業に農薬や化学肥料を使うようになり、残留農薬が地表近くに溜まっている影響で、水質安全基準を満たさない井戸が出てきている。


 また、同県は2008年5月12日の四川大地震の被災地であり、地震の影響による井戸の水位低下や破損で水量が不足しているうえ、地震後井戸の濁りもひどくなっている。このため泉溝村及び瞿義村住民の安全な飲用水の入手が困難な状況に置かれている。


(5)裨益効果


 泉溝村及び瞿義村の村民1,733人が安全な飲用水を確保できるようになる。


(6)供与限度額87,287米ドル(2008年10月4日現在:9,863,431円、約59万元相当)