「陝西省鎮安県茅坪回族鎮上水道整備計画」及び「陝西省略陽県魚洞子郷メタンガス貯蔵池建設計画」の贈与契約署名式を開催
(09.11.27)
11月27日、陝西省西安市において、平成21年度草の根・人間の安全保障無償資金協力案件「陝西省鎮安県茅坪回族鎮上水道整備計画」及び「陝西省略陽県魚洞子郷メタンガス貯蔵池建設計画」の贈与契約署名式が執り行われました。当館より渡邊書記官が、中国側より張宝文・陝西省人民政府外事弁公室主任他が出席しました。
【署名案件Ⅰ】
(1)案 件 名:陝西省鎮安県茅坪回族鎮上水道整備計画
(2)被供与団体:陝西省鎮安県人民政府
(3)案件概要:
陝西省東南部の鎮安県茅坪回族鎮において、上水道設備の整備不足による飲用水問題を解決するため、上水道設備(取水施設2基、ろ過池2基(10㎥・12㎥)、沈殿池1基(10㎥)、貯水池1基(175㎥)、管理棟1棟(50㎡)、導水・送水施設)を整備する。
(4)案件の社会的背景・ニーズ:
陝西省東南部に位置する鎮安県は面積3,487k㎡、人口28.54万人のうち回族、満族などの少数民族が1.05万人を占める。主要な産業は農業であるが、農村部の県民の平均年収は2,505元と低く、国家級貧困県に指定されている。
茅坪回族鎮現有の上水道設備は80年代初頭に建設されたもので、配水管が劣化し水漏れが発生しているほか、貯水池容量が10㎥と小さく、現在水道管が敷設されている164戸1,680人への給水も十分には行えず、断水が頻発している。その上、取水地点から貯水池まで導水管が敷設されておらず、冬季は凍結により4ヶ月以上も給水が行われない状況にある。また、ろ過池や沈殿池が設置されていないため、泥や砂、落ち葉等の混入が見られ、水質検査の結果、細菌が混入する等、飲用水としては適さない状況にある。
一方、水道管が敷設されていない地域の大多数の住民は、付近の河川まで日々水を汲みに行く生活を余儀なくされているが、当該河川の水は近隣の生活排水が混ざった不衛生なものであり、(ロ)同様、飲用水として適さない状況にある。
上記の結果、地域住民約4,300人が不衛生な水を利用している状況にあり、同地域での胃腸疾患発生率は6.6%(同県内の上水道設備が整備されている西口回族鎮では2.9%)と、他地域より高くなっている。
上記のような住民の飲用水問題を解決するためには、新たな上水道設備を整備する必要があるが、県政府の財政状態は支出超過(歳入1.45億元、歳出3.95億元:08年)にあり、上水道施設整備のための資金を捻出することが困難であるため、日本政府へ支援を要請越したものである。
(5)裨益効果:
本件の実施により、茅坪回族鎮の住民約4,300人が安全な飲用水を確保できるようになる。
(6)供与限度額:85,039米ドル(2009年8月24日現在:8,759,017円、約58万元相当)
【署名案件Ⅱ】
(1)案 件 名:陝西省略陽県魚洞子郷メタンガス貯蔵池建設計画
(2)被供与団体:陝西省略陽県人民政府
(3)案件概要:
陝西省西南部の略陽県魚洞子郷の五郎坪村、王家庄村の農家130戸に対しメタンガス貯蔵池(8㎥)及び付属設備を設置する。
(4)案件の社会的背景・ニーズ:
陝西省西南部に位置する略陽県は面積2,831k㎡で、管轄面積の97.7%が山地で占められている。人口21万人のうち少数民族が1.17万人を占める。主要な産業は農業であるが、農村部の県民の平均年収は2,704元と低く、国家級貧困県に指定されている。
五郎坪村、王家庄村の住民は、日々の食事の煮炊きの際、薪や乾燥茎を主な燃料としているが、当該燃料の確保に毎日多大な労力を費やしており、また、当該燃料の使用時には大量の煤が発生するため、大気汚染や住民の健康への影響も懸念されている。
メタンガスは家畜や人の糞尿から自然発生するもので、これを薪や乾燥茎に代わる主燃料として利用することは、燃料収集にかかる労働負担の軽減、自然環境の保護につながる(今回各戸に設置予定の8㎥のメタンガス貯蔵池には、年間2,000kg以上の薪の削減効果があり、生活燃料の80%を賄うことができる)。さらに、屋内にガス灯を取り付けることで照明としても利用できるほか、ガス発生後の残留物は良質な肥料として利用できるなど多面的なメリットに富んでいるため住民のニーズも高く、メタンガス貯蔵池は主に中国内陸部で急速に普及が進んでいる。
同県としても労働負担軽減、自然環境保護等の観点からメタンガス利用を広めたいと考えており、07年には県レベルの農村エネルギーステーションとその傘下にメタンガスサービスセンターを設置し、メタンガス貯蔵池の普及地域の拡大、既に設置済みの家庭へのメンテナンスや部品販売等を行ってきた。
しかしながら、同県は、2008年5月12日の四川大地震により、学校や医療機関、農家の建物倒壊等の被害や経済的打撃を受け、財政は支出超過(歳入0.97億元、歳出2.74億元:08年)となっており、メタンガス貯蔵池普及に十分な予算措置をとることが困難であるため、日本政府へ支援を要請越したものである。
(5)裨益効果:
本件の実施により、略陽県魚洞子郷の住民130戸606人(五郎坪村:50戸221人、王家庄村:80戸385人)の燃料収集にかかる労働負担が軽減されるとともに、メタンガスを代替エネルギーとして利用することで、地域の自然環境保護、農業生産効率の向上、住民の健康増進に寄与する。
(6)供与限度額:88,942米ドル(2009年8月24日現在:9,161,026円、約60万元相当)
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