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河南省羅山県自然保護を通じた生活環境改善計画の署名式を実施
(12.03.19)

 

 

   3月19日、当館における今年度草の根・人間の安全保障無償資金協力案件、「河南省羅山県自然保護を通じた生活環境改善計画」の贈与契約署名式が、河南省信陽市において執り行われました。署名式には、当館より岡﨑雄太一等書記官が、JICAより森康二郎・人とトキが共生できる地域環境づくりプロジェクトチーフアドバイザーが、現地側より王学会・河南省林業庁副巡視員、陸軍・全国バンディングセンター主任、阮祥鋒・河南董寨国家級自然保護区管理局局長ほかが出席しました。

 

 

【案件概要】


(1)案 件 名:河南省羅山県自然保護を通じた生活環境改善計画


(2)被供与団体:河南董寨国家級自然保護区管理局


(3)案件概要2012年に予定されているトキの人工飼育個体群を野生に復帰させるプロジェクトを実施するために必要な野生復帰順化ケージ(建築面積2,800平方メートル)を建設する。トキ野生復帰後はバードウォッチングなどエコツーリズムの発展や有機農産物の販売により、トキが生息できる環境条件を活かし、地元住民の生活改善や収入向上を図る。


(4)案件の社会的背景・ニーズ:
 河南省東南部に位置する羅山県は省都・鄭州から約400キロに位置し、面積2,063k㎡、人口73.59万人。農村部での平均年収は4,179元(約54,300円)で省級貧困県に指定されている。


 トキは学名が「Nipponia Nipponia」と呼ばれ、古くは「日本書記」にも登場するなど、我が国を代表する鳥であるにも関わらず、2003年に日本存来のトキは途絶えた。しかし、中国では1981年に陝西省洋県で7羽発見されてから30数年の間、人口飼育での繁殖など研究・増殖に努めた結果、陝西省では繁殖、野生復帰訓練、放鳥に成功しており、日本政府や民間団体は、1980年代から機材、施設の提供などさまざまな形で、中国のトキ保護に協力してきた。また、中国政府も日本のトキの回復・再生のため、これまで合計7羽のトキを提供し、そこから増えた日本のトキは、現在では約200羽まで増加し、野生復帰への期待が高まっている。


 河南省の農村部は都市部の平均年収10,784元(約140,200円)の半分以下と所得が低いことに加え、当サイトを含む河南省、陝西省におけるトキの野生復帰サイトでは、トキの生息地を守るために、農薬や化学肥料の使用が制限・禁止されており、農民にとっては害虫の発生など農業の生産性低下による貧困が問題となっている。


 董寨国家級自然保護区は2001年6月に国務院の批准を受け設定され、2006年に国家林業局より、国家級模範自然保護区に指定された。2007年に北京動物園や日本から移送されたトキ計17羽が董寨国家級自然保護区で飼育され、2008年に繁殖に成功し、現在では88羽まで増殖している。董寨国家級自然保護区が位置する羅山県の気候は温暖多湿で、多くの動植物が存在し、その中でも希少鳥類が多く生存しており、トキの野生復帰のための自然条件も満たしており、羅山県政府はエコツーリズムを推進して貧困改善を目指している。


 このように豊富な自然資源を活かしたエコツーリズムにより董寨国家級保護区への観光客はここ数年、年間30万人前後で推移しているが、地元住民の平均年収等からみると生活環境・条件は依然厳しい状況にある。当サイトは一般の観光客には観賞を開放していない放鳥の実績のない新しい飼育施設であり、かつ、未だ自然保護区も野生のトキの生息地ではない。現在もトキは小さな飼育ケージで育てられており、野生復帰前の飛翔訓練等ができない状況にあるため、農薬制限等の規制を受け、野生のトキの生息地を守っている地元住民にとって、十分に裨益を受けているとは言えない状況である。トキの観賞を目玉としたエコツーリズムをさらに発展させるには、野生化訓練のための大型順化ケージが必要であるが、同管理局の財政は同財政の大部分を上級団体による交付金に頼る苦しい状態にあり(歳入:308万元 歳出:305万元:2010年)順化ケージ建設資金全額を捻出することが困難であるため、日本政府へ支援を要請したものである。


 今後、トキの増加によりエコツーリズムが発展した場合、年間3~5万人の観光客の増加が見込まれており、宿泊、食事、土産等の消費により、地元住民へ年間約600万元の追加収入がもたらされる。その中でも、同地で栽培される作物を、トキが生息できる自然環境を活かし、健康・安全志向に即した有機栽培作物として販売し、農民の収入向上を目指す。このように観光客が自然資源保護・保全に関し理解を高めることで、人とトキとが共生する地域産業モデルを構築することは、本案件の意義を一層高めると考える。


 本案件は我が国にも愛着の深いトキを繁殖し、訓練を施して野生復帰させるプロジェクトである。現在、日本においてもトキの野生化訓練、放鳥は行われているが、野生におけるトキの繁殖は一度も成功しておらず、他方、中国では野生におけるトキの繁殖が成功しており、日中間で相互に情報を交換しながら協力が進められている。このように本案件は、今後も日中共同でトキ保護増殖の取組みを推進することから大変意義があると考える。また本年度は1981年に陝西省でトキが発見され30周年を迎え、日本、中国、韓国三ヶ国の代表が参加した記念式典、ワークシップや、日中の小学校も交流行事が広く開催された。本プロジェクトは、両国間の友好関係の促進や日中協力の成果の広報という面からも非常に有意義である。


(5)裨益効果:
 本件の実施により、トキ保護による現地経済の活性化(観光資源としてのトキに着目した観光業等の創出・発展)が期待し得ることから、現在農薬や化学肥料の制限・禁止による農作物の減収などで困窮している董寨保護区住民8,000人に年間約600万元の経済的裨益効果をもたらすことが期待できる。


(6)供与限度額:111,851米ドル

 


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