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新型インフルエンザ対策関連資料(第2版)

 

2009年2月

 

 

※ 本資料は、中国に長期滞在される在留邦人の皆様への広報向けに作成したものですが、新型インフルエンザについては未知の部分も多く情報も不十分であるため、今後も随時改訂していく予定です。

 

1.WHO(世界保健機関)のフェーズ分類


 WHOでは、鳥・新型インフルエンザ・ウィルスの発展段階を以下の6段階に分類しています。現在はフェーズ3にあり、フェーズ4に至って新型インフルエンザが発生します。

 

フェーズ1:ヒト感染のリスクは低い。
フェーズ2:ヒト感染のリスクはより高いが感染はない。
フェーズ3:ヒト-ヒト感染はないか、極めて限定されている(現在)
フェーズ4:ヒト-ヒト感染が増加していることの証拠がある。
フェーズ5:かなりの数のヒト-ヒト感染があることの証拠がある。
フェーズ6:パンデミックが発生し、一般社会で急速に感染が拡大。

 

2.新型インフルエンザの感染速度


 容易にヒト-ヒト感染を起こす新型インフルエンザ・ウィルスの出現とその感染が確認されると、WHOはPhase4を宣言します。Phase4段階では、未だウィルスが完全にヒトに適応できておらず感染地域も限定されていますが、その後急速に拡大し短期日の内に世界的流行(パンデミック)に至ります。この段階がPhase6です。2か月程度流行したのち小康状態になるというサイクルを1~2年のあいだ繰り返すと予想されています。
(想定)新型ウィルスの出現からPhase4宣言まで(約3週間かかる)
ウィルスの変異から潜伏期間:2~3日ないし1週間
患者の発症から死亡まで:9~10日
地方レベルのウィルス認定:1~2日?
国レベルのウィルス認定:1~2日?
WHOの認定:5~6日
 なお厚生労働省は、新型インフルエンザの第1波における感染率は25%。日本国内の患者総数は3200万人に上ると予想しています。致死率は2%前後。日本国内の入院患者は53~200万人、国内の死亡者数は17~64万人と予想されます。

 

3.新型インフルエンザの症状


 新型なので一概には言えませんが、感染すると潜伏期間の後に突然発熱し、強い倦怠感や筋肉痛、関節痛が起きると予想されます。熱はやがて38度を超える高熱となって続きます。喉の痛みや鼻水、咳等の症状の他、腹痛や下痢も起こる可能性があります。
 数日のうちに息苦しくなったり、激しい咳や呼吸困難等の肺炎症状が出たりして、急激に悪くなる場合が多くあります。腹痛や下痢が続く他、鼻血、歯肉出血、血便、血痰が起こることも考えられます。更に、ウィルスが血流に乗って脳や腸管、肝臓、腎臓等に広がり、多臓器不全を引き起こすことも考えられます。  
 また新型インフルエンザでは免疫の過剰反応により、免疫力の強い20~30歳の若い世代の方が却って大きなダメージを受ける現象も予想されています。現在のH5N1型鳥インフルエンザ・ウィルスに感染した場合や、スペイン風邪の時にも、若い世代の犠牲者の割合が多かったことが報告されています。

 

4.タミフルについて


 タミフルは、ウィルスの体内増殖を抑える薬であるが、発症後(通常は発熱後)48時間以内に服用しないと効果が少ないと言われています。他方タミフルにはインフルエンザの諸症状を緩和する効果はないので、解熱剤や鎮痛剤を別途用意する必要があります。
 日本で処方されるタミフルは、1人分が1箱10カプセル。事後投与の場合、1日2回服用し5日で終了します。価格は4000~5000円程度。中国で入手できることもあります(300~600元程度)。有効期間は製造から7年。
(注)専門書によれば、解熱剤は、アスピリンは合併症を引き起こす可能性があり、アセトアミノフェン(「タイレノール」、「小児用バッファリンCⅡ」)や、イブプロフェン(「イブA錠」)を使用する、また非ステロイド系抗炎症剤も、インフルエンザ脳症を悪化させる危険があり、小児に使用してはならないとの記述が見られます(出典:「H5N1型ウイルス襲来 新型インフルエンザから家族を守れ」(岡田晴恵著。角川SSC新書))。

 

5.ワクチンについて


 パンデミック・ワクチン(通常のワクチン)は、新型インフルエンザ・ウィルスを抗原として製造するため、第1波の流行には間に合いません。その製造には半年から1年を要すると言われています。従って、予めできる限りの準備を行い、なるべく感染を避ける態勢をとりつつ、ワクチン接種が可能となるのを待つことが必要となります。

 

6.早期退避の必要性


 新型インフルエンザの発生には様々な態様が考えられ、一概には言えません。しかし一般論として、日本ではタミフル等の抗ウィルス薬の流通量が比較的多く、病院等の医療施設も整っており、また有数のワクチン製造能力を持っていることから、本邦への退避がリスクを軽減する有効な手段と考えられます。
 可能な限りPhase4直前の段階までに、本邦に退避することが望まれます。Phase4になれば日本政府からの勧告が発出されますが、それ以前の段階であっても、Phase4直前と判断された場合は、危険情報の提供を行います。大使館ではPhase4直前の段階で、館員家族に対しても自主的に帰国の検討を行うよう勧奨することとしており、これらの対応方針はHPやメールで広報することにしています。大使館HPでは、その他中国における鳥インフルエンザの発生状況などについても迅速な情報提供を心がける所存ですので、どうか参考にして下さい。感染拡大の速さを考えると、できる限り迅速な退避が望まれます。
 迅速に退避するためには、パスポート、まとまった現金、クレジットカード、海外旅行傷害保険証書等を普段から手元に用意しておく必要があります。パスポートについては残存期間の確認を常に行ってください。パスポートの切替申請は失効日の一年前から手続きが可能です。また、本邦での宿泊先を予め確保しておく等事前の準備をしておく必要があります。
 なお、遠隔地に住んでいて、帰国までに何回か空港乗継ぎを必要とする方については以下の点に注意することが必要です。

  1. 感染情報に注意する。特に乗継空港周辺に感染が波及した場合は、乗継便の欠航、空港封鎖等により途中で足止めされる可能性があります。
  2. 乗継地では、適当な宿舎が見つからず劣悪な環境に置かれる可能性があり、また人込みの中に長時間いることで感染リスクが高まります。
  3. これらをよく勘案して、帰国するか現地に留まるか慎重に判断することが必要です。

7.感染予防対策


 ウィルス感染を防ぐため、外出時のマスク着用は必須です。必ずしもN95マスクである必要はありませんが、ガーゼでは予防効果はないので注意してください。ウィルスは呼吸器以外にも目等から感染することもあります。ゴーグルや簡易防護服等も市販されています。
 ウィルス感染を防ぐためには先ず、外出をなるべく控える必要があります。外出する時は、マスク、手袋、コート等で防備して出かける必要があります。自宅に帰った時は、室内にウィルスを持ち込まないよう、マスク等は玄関先で外しビニール袋に密閉し、玄関の外に置いて破棄します。マスクは使い捨てが原則で、1日最低2枚は必要になります。
 また、体に付着したウィルスを家の中に持ち込まないため、手洗いを徹底する必要があります。顔や喉、口中にウィルスが付着しないよう、うがい、顔洗いも励行しなければなりません。また、乾燥を防ぐため、室内に加湿器を設置することも効果的とされています。
 ウィルスは70~80度の熱で不活化し、またアルコールに溶解します。煮沸消毒、アルコール消毒の他、市販の塩素系漂白剤が対ウィルス消毒薬として、比較的安価で入手しやすいものです。塩素系漂白剤は、次亜塩素酸ナトリウムを4~6%含んで売られています。ドアノブや壁等は、この原液を300倍に薄めたものでよく拭き消毒します。
 手袋は、医療用の薄手のビニール手袋が素手と同じように使えて便利であり、嘔吐物や便などを通してウィルスに不用意に触れることのないよう装着します。

 

8.パンデミック・ピーク時の引き籠もりに備えての備蓄


 中国に残留する場合、また日本でもパンデミックに見舞われた場合、ピーク時(3~4週間)には、最悪の場合、商店、銀行、薬局等が全て閉鎖され、外出に感染リスクが伴うことが予想されます。従って、この期間は外出を極力避けて、できるだけ自宅に引き籠もる必要があります。この事態に備え、十分な飲料水、非常食料、生理用品、及び常備薬、体温計、マスク、抗ウィルス薬、洗剤、消毒薬等を平素から用意しておくことをお勧めします。マスクは1日2枚使用するとして、合計60枚程度は必要な計算になります。
 また引き籠もりに備え、普段から家族の間で危機意識、対応策を出来る限り共有し、迅速に協力し合える体制を整えておくことも重要です。

 

9.最後に~危機の中での的確な情報シェアについて


 今後、Phase4或いはその直前との状況に至った場合、情報の欠如や不安心理から様々なデマが流布し、無用の混乱が生じることが強く懸念されます。このような状況が生じることのないよう、大使館としては、日本人会、日本商工会をはじめとする当地邦人社会と密接に協力しつつ、危機に際して必要かつ正確な情報を迅速に提供することを通じて混乱を最小限に止める努力を行いたいと考えています。現時点で各種のブリーフィングの機会を通じ、新型インフルエンザについての基礎知識の普及に努め、備蓄をはじめとする各種の対策の呼びかけを行っているのも、危機下における情報混乱を最小限に止めたいという強い思いからです。
 大使館HP並びにHPでの登録により入手できるメールマガジンは、新型インフルエンザに関する大使館の正規の情報源であり、是非ご活用願います。

 

*新型インフルエンザに関する情報、Q&A、日本政府の対応等については、以下のホームページを参照ください。


○在中国日本大使館ホームページ:http://www.cn.emb-japan.go.jp
○WHOホームページ:http://www.who.int/en/
○中国衛生部ホームページ:
http://www.moh.gov.cn/publicfiles//business/htmlfiles/wsb/index.htm
○中国疾病予防コントロールセンター/鳥インフルエンザ・新型インフルエンザページ: http://www.pandemicflu.ac.cn/n3520543/index.html
○外務省海外安全ホームページ:http://www.anzen.mofa.go.jp
○鳥インフルエンザに関する情報(厚生労働省)
http://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou02/index.html
○新型インフルエンザ対策関連情報(厚生労働省)
http://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou04/index.html
○海外渡航者のための感染症情報(厚生労働省検疫所)http://www.forth.go.jp
○高病原性鳥インフルエンザ(国立感染症研究所感染症情報センター)
http://idsc.nih.go.jp/disease/avian_influenza/index.html
○鳥インフルエンザに関する情報(農林水産省)
http://www.maff.go.jp/tori/index.html
○Avian influenza(世界保健機関(WHO))
http://www.who.int/csr/disease/avian_influenza/en/
○国際獣疫事務局(OIE)
http://www.oie.int/eng/en_index.htm

 


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