鳥インフルエンザ関連情報(第十九報)
中国国家衛生・計画生育委員会・WHO視察チーム報告会などについて)
2013年4月25日
在中国日本国大使館
1.中国国家衛生・計画生育委員会及びWHOが共同で発足させた鳥インフルエンザA(H7N9)感染防止視察チームは、24日、報告会を行いました。報告の主要点は、以下の通りです。
(1)鳥インフルエンザA(H7N9)感染防止視察チームは、中国国家衛生・計画生育委員会とWHO関係者が共同でリーダーとなり、国際及び国内のインフルエンザ感染症学、ウイルス学、臨床管理等の分野の専門家により組織され、4月19日~23日まで、上海の家禽マーケット、実験室、病院の視察を行った。
(2)今般の中国における鳥インフルエンザに対する対応は、中国政府の強力なリーダーシップの下、鳥インフルエンザA(H7N9)の発生に対応し、その健康教育、意思疎通やマーケットの閉鎖といった措置は有効であった。
(3)視察チームは、上海で家禽マーケットや報告のあった発症例の居住環境の視察を行った。ウイルスが感染した鳥類、特に家禽類及びウイルスに汚染された環境は最も可能性の高い感染源であり、感染の危険性は主に家禽マーケットに集中している。
現在の状況から渡り鳥や渡り鳥の生息地からH7N9の陽性反応はない。
(4)ほとんどの病例は散発的であるが、個別の家庭に集中した病例もあった。しかしながら、この種の家庭が共同で暴露があったか限定的なヒト-ヒト感染があったかは定かではない。現在のところヒト-ヒト感染発生の証拠は十分ではない。また、持続的なヒト-ヒト感染は発見されていない。
(5)限定的なヒト-ヒト感染があっても不思議ではなく、早期にこのような状況を発見し監視を強める必要がある。状況は未だ複雑で、厳しく、更に発展段階である。WHOと中国は密接に協力しながらこの新しい脅威に向かっていく。
※ 詳細(中国語)については、
http://www.moh.gov.cn/mohbgt/s3582/201304/fae330ce6e7644c8a49ad02e12b50c9b.shtml
をご参照ください。
2.4月24日16時時点の中国国家衛生・計画生育委員会の発表を踏まえた、中国本土における鳥インフルエンザA(H7N9)の感染確定症例数は、北京市、河南省、山東省、上海市、江蘇省、浙江省、安徽省の計109名(臨床症状のない一例を含む)、死亡者数は23名となっています。
3.中国国家衛生・計画生育委員会は、4月24日16時時点で、中国で108例の鳥インフルエンザA(H7N9)感染確定症例が報告され、そのうち、23名が死亡、14名が回復していることを発表しました。発表の主要点は以下のとおりです。(当館注:北京市の感染者2名のうち、15日付の当館の「鳥インフルエンザ関連情報(第九報)」でご連絡しました北京市での4歳男児の感染のケースについては、ウイルス感染は確認されたものの、臨床症状がないとして、中国当局発表の感染者合計数には含まれておりません。)
(1)症例の分布は、北京市(1例)、河南省(3例)、山東省(1例)、上海市(33例、死亡12例)、江蘇省(24例、死亡4例)、浙江省(42例、死亡6例)、安徽省(4例、死亡1例)の7省市。
(2)現在、症例は依然として散発状態にあり、現時点においてヒト-ヒト感染の証拠は発見されていない。
(3)突発性公共衛生事件情報発表に関する規定に基づき、4月24日から、鳥インフルエンザA(H7N9)ヒト感染情報は、日毎の発表から週毎の発表とする。
4.台湾の衛生署疾病管制局は、24日、3月28日から4月9日まで江蘇省の蘇州に出張していた台湾人男性(53歳)が、鳥インフルエンザA(H7N9)に感染していたことを新たに確認したことを発表しました。
5.江西省衛生庁は、24日、南昌市第三医院が受け入れた69歳の男性が、同省で初めてとなる鳥インフルエンザA(H7N9)の感染疑い例となっており、現在、北京の中国疾病予防コントロールセンターで感染についての最終確認を行っているところであることを発表しました。南昌市疾病予防コントロールセンターは、既に14名の濃厚接触者に医学観察措置をとり、現時点ではこれらからインフルエンザ症状は見つかっていないとしています。
6.かかる状況を受けて、中国滞在中の方におかれては、引き続き、以下の諸点にご注意願います。
(1)発熱、咳などの呼吸器感染の症状が発症、特に高熱の発症や呼吸困難の症状が見られた場合は速やかに医師の診断を受けるようにお願い致します。
(2)生きた鳥を扱う市場や家禽飼育場への立入を避け、不用意に鳥・家畜に近寄ったり触れたりせず、死んだ鳥や放し飼いの家禽や鳥の排泄物に汚染された物との接触を避けてください。
また、手洗い、うがい等につとめ、衛生管理に十分注意してください。十分な栄養、睡眠をとり、平素からの体調管理に気をつけてください。
(3)外出する場合には、人混みはできるだけ避け、人混みではマスクをする等の対策を心がけてください。
(4)その他、感染地域滞在の注意事項については、以下の参考ホームページを御参照ください。
7.当館では新たな情報が得られ次第、当館ホームページ等でお知らせします。
(参考ホームページ等)
○外務省領事サービスセンター
住所:東京都千代田区霞が関2-2-1
電話:(代表)03-3580-3311(内線)2902
(外務省関連課室連絡先)
○外務省領事局政策課(海外医療情報)
電話:(代表)03-3580-3311(内線)2850
○外務省 海外安全ホームページ: http://www.anzen.mofa.go.jp/
(携帯版) http://m.anzen.mofa.go.jp/mbtop.asp
○海外安全ホームページ:
「海外渡航者のための新型インフルエンザに関するQ&A」
http://www.anzen.mofa.go.jp/kaian_search/influ_qa.html
「海外渡航者のための鳥インフルエンザに関するQ&A」
http://www.anzen.mofa.go.jp/kaian_search/sars_qa.html
○鳥インフルエンザ(H7N9)について(厚生労働省)
http://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/kekkaku-kansenshou/infulenza/h7n9.html
○海外渡航者のための感染症情報(厚生労働省検疫所)
http://www.forth.go.jp
○インフルエンザA(H7N9) (国立感染症研究所感染症情報センター)
http://www.nih.go.jp/niid/ja/diseases/a/flua-h7n9/3395-n7n9top.html
○「鳥インフルエンザA(H7N9)に関する質問と回答」(原文:OIE)
http://www.nih.go.jp/niid/ja/diseases/a/flua-h7n9/2273-idsc/3440-oie-qa.html
○「インフルエンザA(H7N9)ウイルスのヒト感染に対するWHOのリスク評価」(原文:WHO)
http://www.nih.go.jp/niid/ja/diseases/a/flua-h7n9/2273-idsc/3439-riskassessment-h7n9.html
○鳥インフルエンザに関する情報(農林水産省)
http://www.maff.go.jp/j/syouan/douei/tori/index.html
○Avian influenza(世界保健機関(WHO))
http://www.who.int/csr/disease/avian_influenza/en/
○国際獣疫事務局(OIE)
http://www.oie.int/eng/en_index.htm
○中国疾病予防控制中心「人感染H7N9禽流感」※中国語サイト
http://www.chinacdc.cn/jkzt/crb/rgrgzbxqlg_5295/
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