鳥インフルエンザ関連情報(第二十六報)
(北京市における新たな感染例の確認について)
在中国日本国大使館
2013年5月29日
1.北京市衛生局は、28日、同市の6歳の男児について、鳥インフルエンザA(H7N9)の感染を確認したことを発表しました。発表の主要点は以下のとおりです。北京市では3例目の感染確定症例(1名は臨床症状なし)となります。
(1)2013年5月28日午前、北京市疾病予防コントロールセンターは、北京市における大規模なインフルエンザ症例の病原学モニタリング検査の中で、北京大学人民医院で診察を受けたインフルエンザ症状のある一人から鳥インフルエンザA(H7N9)ヒト感染症例を発見した。同日午後4時、北京市の臨床専門家グループはこれを確定症例と判断した。
(2)患者は徐某、男性、6歳、北京市海淀区在住。5月21日、発熱を伴う喉の痛み、頭痛を発症し、北京大学人民医院で診察を受けた。家族は家禽との接触歴を否定。診察した医者は、両側の扁桃腺の腫れ及び膿状の分泌物を発見したため、抗炎症剤及び対処療法等の治療を行った。5月22日から24日にかけて、毎日病院で点滴を受け、5月23日午後、体温は正常に戻り、症状は消え、5月24日午後には幼稚園に登園した。患者が治療期間中、北京大学人民医院は採取したサンプルを疾病予防コントロールセンターに送付し、市及び区の検査及び再検査の結果、5月28日患者は鳥インフルエンザA(H7N9)ヒト感染と確定診断され、北京地壇病院で更なる観察治療を受けることとなった。目下、患者の健康状況は良好で、5日間連続で体温は正常である。当該症例は、北京市が報告する第2例目の鳥インフルエンザA(H7N9)ヒト感染確定症例となった。(当館注:4月15日付の当館の「鳥インフルエンザ関連情報(第九報)」でご連絡しました北京市での4歳男児の感染のケースについては、ウイルス感染は確認されたものの、臨床症状がないとして、中国当局発表の感染者合計数には含まれておりません。)
(3)初歩的に濃厚接触者50人を確認し、これらすべての人を医学観察措置としたが、目下いずれも異常な症状はない。
(4)鳥インフルエンザA(H7N9)ウイルスのヒト感染状況が平穏化した後、北京市では同ウイルスをインフルエンザ症例の常態化モニタリング検査の範囲に含めていた。今般、大規模なインフルエンザ症例のサンプル検査において第2例を発見したことは、北京市の常態化モニタリング策が効果的であることを示している。
(5)最近、北京市衛生局は専門家を組織し、鳥インフルエンザA(H7N9)ヒト感染の状況につき、分析・研究を行った。専門家は、国内の散発的症例が出現する可能性を指摘し、感染状況は継続しつつも緩和され、現在までにヒト-ヒト感染の明確な証拠はないとしている。また、モニタリングデータは北京市における鳥インフルエンザA(H7N9)ヒト感染の関連で異常な状況を示していないこと、これに加えて北京市における渡り鳥の移動期間は終了し、気温が上昇したこと、同時に呼吸器系感染症の特徴も考慮した結果、北京市おいて大規模な鳥インフルエンザA(H7N9)ヒト感染の散発症例が発生する可能性は低いと考えている。今回の散発症例の発見は、このような専門家の研究・判断結果に合致している。
(6)目下の感染状況に鑑み、北京市は鳥インフルエンザA(H7N9)ヒト感染の防御コントロール工作は既に常態化されている。次の一歩として、北京市衛生局は農業、林業・緑化等の部門との情報共有を強化し、モニタリングを強め、感染状況の研究・判断を強化し、引き続き予防知識の普及活動を行い、公衆の健康・衛生的な生活習慣の形成を誘導し、効果的に鳥インフルエンザの伝染を防御コントロールしていく。
2.中国滞在中の方におかれては、引き続き、以下の諸点にご注意願います。
(1)発熱、咳などの呼吸器感染の症状が発症、特に高熱の発症や呼吸困難の症状が見られた場合は速やかに医師の診断を受けるようにお願い致します。
(2)生きた鳥を扱う市場や家禽飼育場への立入を避け、不用意に鳥・家畜に近寄ったり触れたりせず、死んだ鳥や放し飼いの家禽や鳥の排泄物に汚染された物との接触を避けてください。
また、手洗い、うがい等につとめ、衛生管理に十分注意してください。十分な栄養、睡眠をとり、平素からの体調管理に気をつけてください。
(3)外出する場合には、人混みはできるだけ避け、人混みではマスクをする等の対策を心がけてください。
(4)その他、感染地域滞在の注意事項については、以下の参考ホームページを御参照ください。
3.当館では新たな情報が得られ次第、当館ホームページ等でお知らせします。
(参考ホームページ等)
○外務省領事サービスセンター
住所:東京都千代田区霞が関2-2-1
電話:(代表)03-3580-3311(内線)2902
(外務省関連課室連絡先)
○外務省領事局政策課(海外医療情報)
電話:(代表)03-3580-3311(内線)2850
○外務省 海外安全ホームページ: http://www.anzen.mofa.go.jp/
(携帯版) http://m.anzen.mofa.go.jp/mbtop.asp
○海外安全ホームページ:
「海外渡航者のための新型インフルエンザに関するQ&A」
http://www.anzen.mofa.go.jp/kaian_search/influ_qa.html
「海外渡航者のための鳥インフルエンザに関するQ&A」
http://www.anzen.mofa.go.jp/kaian_search/sars_qa.html
○鳥インフルエンザ(H7N9)について(厚生労働省)
http://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/kekkaku-kansenshou/infulenza/h7n9.html
○海外渡航者のための感染症情報(厚生労働省検疫所)
http://www.forth.go.jp
○インフルエンザA(H7N9) (国立感染症研究所感染症情報センター)
http://www.nih.go.jp/niid/ja/diseases/a/flua-h7n9/3395-n7n9top.html
○「鳥インフルエンザA(H7N9)に関する質問と回答」(原文:OIE)
http://www.nih.go.jp/niid/ja/diseases/a/flua-h7n9/2273-idsc/3440-oie-qa.html
○「インフルエンザA(H7N9)ウイルスのヒト感染に対するWHOのリスク評価」(原文:WHO)
http://www.nih.go.jp/niid/ja/diseases/a/flua-h7n9/2273-idsc/3439-riskassessment-h7n9.html
○WHO:中国における鳥インフルエンザ(H7N9)ウイルスにより引き起こされる人への感染についてよく寄せられる質問
http://www.nih.go.jp/niid/ja/diseases/a/flua-h7n9/2273-idsc/3394-h7n9-qa.html
○鳥インフルエンザに関する情報(農林水産省)
http://www.maff.go.jp/j/syouan/douei/tori/index.html
○Avian influenza(世界保健機関(WHO))
http://www.who.int/csr/disease/avian_influenza/en/
○国際獣疫事務局(OIE)
http://www.oie.int/eng/en_index.htm
○中国疾病予防控制中心「人感染H7N9禽流感」※中国語サイト
http://www.chinacdc.cn/jkzt/crb/rgrgzbxqlg_5295/
|