1.流行性髄膜炎の状況
安徽省、江蘇省、広東省などで局地的に発生しています。本年1月、小中学生を中心に、患者258人、死者16人が発生したことを受けて、中国衛生部は、全国に予防対策の強化を広報しています。
2.流行性髄膜炎とは
(1)例年、冬季を中心に、中国全土で流行し、患者は2000~3000人、死者は100人強と報告されています。感染しやすいのは児童です。アフリカやフィリピンでも発生が報告されています。
(2)世界保健機構(WHO)のガイドラインによると、細菌等の原因により、発熱・嘔吐・意識障害・けいれん等の症状を起こします。一度発症すると、高い致死率がみられます。患者発生地近くにお住まいの方は、上記症状が現れたら、早急に医療機関で診察を受けて下さい。
(3)この疾病には、ペニシリン等抗生物質による治療が有効です。治療を始めると、患者の感染性は急激に弱まるため、隔離の必要はありません。
3.予防・対策
春節など人の移動が多い時期は、感染症が流行しやすいので、特に、次のような事項にご留意下さい。
・ 帰宅後の手洗い、うがいの徹底
・ 食事を欠かさないようにし、栄養のバランスにも心がける
・ 休息、睡眠、規則正しい生活
・ 適度な運動
・ 以上の点を、現地スタッフや家事補助者にも徹底させる
注)中国衛生部が2月1日に発表した今回の髄膜炎予防策
①早期の発見・治療に努める。
②患者の看病をしたなど患者に密接に接触した場合は、予防的治療を行う。
③これまで髄膜炎が流行していなかった地域で流行が見られたら、15歳以下の小児に対し直ちに予防接種を行う。
④髄膜炎の流行地では、集会など人が集まる場所を避ける、患者へのお見舞いを避ける、人混みの中には入らない。学校や託児所で流行が見られれば、閉鎖・休校などの措置を取り、緊急予防接種を行う。
⑤流行地では組織的に消毒する。
|