本年3月以来、安徽省阜陽市を中心に手足口病が流行しており、安徽省阜陽市の報告によれば、5月1日までに3321名が発症し、小児22名が多臓器不全を併発して死亡しています。また、5月5日の北京市の発表によれば、北京市内では5月4日までに1482人が手足口病を発症していますが、死亡例はありません。
日本では、この病気で死亡する例は殆どありませんが、参考情報として、皆様にお知らせします。
(1)手足口病に罹るのは、主に乳幼児・小児で、その症状は発熱、手・足・口に発疹・水疱が見られます。原因については、今回の安徽省の流行では、エンテロウィルス(EV71)が特定されています。
(2)一般的には、発熱で始まる軽い病気で、ほとんどの人が1週間から10日程度で自然に治ります。合併症もほとんどありませんが、まれに髄膜炎等の中枢神経症状が発生し、入院が必要となります。突然の高熱、あるいは微熱でも持続するもの、嘔吐を繰り返すもの、意識状態に変化が見られるものには慎重に対処する必要があります。
(3)潜伏期は3-4日で、感染経路は経口、飛沫、接触ですが、症状が消失した後も3-4週間は排便中にウィルスが排泄されるため、注意が必要とされます。
(4)予防策としては、ワクチンなどの積極的な予防方法はなく、排泄物に対する注意と手洗いの励行といった衛生面での管理が重要です。
手足口病の詳しい情報については下記サイトで紹介されています。
「国立感染症研究所感染症情報センターホームページ(手足口病)」
http://idsc.nih.go.jp/disease/hfmd/index.html
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