本年3月より、安徽省から中国全土へと流行が拡大している手足口病については、衛生部の発表によれば、今年5月の1ヶ月間で中国全土の176,321名が発症し、40名が死亡しています。
北京市衛生局の発表によれば、北京市内では6月2日までに8283人が手足口病を発症して、1人が死亡しています(このほか河北省籍の患者2人が北京市の病院で死亡)。 また、上海総領事館からの情報によれば、同館管轄内で日本人の発症も確認されたとのことです。
日本では、この病気で死亡する例は殆どなく、この病気に対して過度に心配する必要はないと言われていますが、感染のピークは晩春から初夏にかけてとされていることから、特に小さいお子様をお持ちの在留邦人の皆様におかれては、十分にご留意ください。
(1)手足口病に罹るのは、主に乳幼児・小児で、その症状は発熱、手・足・口に発疹・水疱が見られます。原因については、今回の流行では、エンテロウィルス(EV71)が主流となっています。
(2)一般的には、発熱で始まる軽い病気で、ほとんどの人が1週間から10日程度で自然に治ります。合併症もほとんどありませんが、まれに髄膜炎等の中枢神経症状が発生し、入院が必要となります。北京市における死亡例の原因について、市衛生局では、医療機関への受診が遅れたことをあげています。突然の高熱、あるいは微熱でも持続するもの、嘔吐を繰り返すもの、意識状態に変化が見られるものには慎重に対処し、早期に医師の診察を受ける必要があります。
(3)潜伏期は3-4日で、感染経路は経口、飛沫、接触ですが、症状が消失した後も3-4週間は排便中にウィルスが排泄されるため、注意が必要とされます。
(4)予防策としては、ワクチンなどの積極的な予防方法はなく、乳幼児のおしめなど排泄物に対する注意、石けんによる手洗いの励行、食品や飲料水への注意といった一般的な衛生面での管理が重要です。
手足口病の詳しい情報については下記サイトで紹介されています。
「国立感染症研究所感染症情報センターホームページ(手足口病)」
http://idsc.nih.go.jp/disease/hfmd/index.html
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