1.中国では最近、ネットや携帯電話を使ったいわゆる「振り込め詐欺」が爆発的に増えています。北京市公安局によれば、本年1月から10月まで北京市内ではこの種の「振り込め詐欺」が昨年比2倍以上の8,700余件が発生しており、被害総額は約2億7千万元にも達しているとのことです。
2.このような状況を踏まえ、最近、北京市公安局は当地の携帯電話にショートメッセージ(短信)を送付し、こうした「振り込め詐欺」に対する注意喚起を呼びかけています。また、当館でも、9月29日付で「電話料金未払い詐欺(振り込め詐欺)」に関する注意喚起を行っています。
3.11月20日には、天津市在住の邦人がインターネット電話サービスSkype(スカイプ)のチャット機能を用いたフィッシング詐欺に遭いました。その手口は以下のとおりです。
(1)Skypeにアクセスしていると、Skype社を装った犯人からチャット機能によるメッセージが届きます。 「あなたに、サムソン製ノートパソコンと賞金が当たりました!」
(2)指定されたリンク先(フィッシングサイト:Skype社オフィシャルサイトに酷似した偽Skype社サイト)にアクセスすると、Skypeユーザー名と指定の認証番号を入力するように要求されます。
(3)必要事項を入力してログインすると、また別のサイトへ移動します。
(4)姓名、パスポート番号、銀行口座番号等の個人情報を入力してクリックすると、賞品受取のための手続費(郵送費、保証金等)を支払う振込先銀行、振込方法、「よくあるご質問」、連絡先等が記載された別のサイトが開きます。
(5)確認のために連絡先に記載されていたホットラインに電話をすると、女性オペレーターが応対し、次に男性担当者が言葉巧みに手続費の振込を誘導します。
(6)手続費の支払いが完了すると、男性担当者は、次は公証金や税金の支払いが必要になると説明し、次から次へと振込をさせます。支払額が嵩んで支払えないというと契約違反になると脅します。同人はその時点で騙されたことに気づき、直ぐに110番通報をし、最寄りの派出所において被害届を提出するとともに大使館に通報を行いました。現在、公安当局が「電子詐欺」事件として捜査を行っています。
4.海外ではSkypeを利用している在留邦人も多いと思いますが、Skype社を装ったメッセージは本物と見間違うばかりに発信元等が加工されているほか、偽Skype社サイトであるフィッシングサイトも正規のSkype社サイトに酷似しています。射幸心をあおる手口も口上も極めて巧妙です。「自分は大丈夫、引っかからない」とは思わずに、現在このような「電子詐欺」事件が多発しているという事実を認識し、Skypeのみならず、見知らぬ人からの携帯メールや電話等での甘い話には十分に警戒心をもつことが重要です。
なお、万一被害に遭われた場合には、最寄りの派出所に被害届を提出していただくとともに、当館領事部にもご一報ください。
※ 参考1:北京市公安局ショートメッセージ(短信)(09.11.23)
見ず知らずの人からメールや電話で現金を振り込むように要求されたとしても、そのようなことを聞いたり信じたり、また、現金を振り込んだりすることなく、「振り込め詐欺」に騙されないように注意してください。そして直ぐに110番通報してください。
※ 参考2:在中国日本国大使館ホームページ(09.09.29)
「電話料金未払い詐欺(振り込め詐欺)」に関する注意喚起
http://www.cn.emb-japan.go.jp/consular_j/joho090929_j.htm
|