8月3日付新京報に、亜硝酸塩による食中毒を防止するため、加工肉や一晩置いた料理等からの亜硝酸塩の摂取を減らす工夫が、専門家のアドバイスとして掲載されていましたので、概要を紹介いたします。
◇ ポイント:
日常生活において、亜硝酸塩の摂取を減らす工夫として、中国農業大学等の専門家によるアドバイスを以下のとおり紹介。
■鮮赤色の加工肉は買わない
- 鮮明な赤色を呈し、食感が普通のものより滑らかで、肉質繊維すら感じられない加工肉は、亜硝酸塩が添加された可能性がある。
- 亜硝酸塩を使用していない加工肉は、外見は一般的に褐色を呈する。また、購入した生肉が煮た後にピンク色になった場合は亜硝酸塩を添加した可能性がある。
■野菜は漬けるよりさらす
- 野菜を水に漬けるよりさらした方がいい。
- 野菜(特に緑葉野菜)は常温で2,3日経てば、その中の亜硝酸塩は高まる。
- 野菜を冷蔵庫で保管に入れると、野菜の亜硝酸塩の生成を2,3日遅らせることができる。
■ビタミンCを入れて、塩漬け製品は半月以上漬ける
- 家庭が塩漬け製品を作る際、亜硝酸塩を減らすために、できる限り新鮮な野菜を選び、冷えた水を使って塩漬けする。塩を多めに入れて、濃度を15%以上にした方が良い。
- また、塩漬けの際、何錠かのビタミンCを入れて、15日以上漬けるべきである。
- スーパーで買う場合には、正規業者により生産された塩漬製品を購入すべき。
■外食時の残りを持ち帰らないように、家庭用は先出しする
- 作った料理が多い場合、出来上がった時点で、一部を分けておいて、料理が少し冷めてから冷蔵庫に入れて保存しておけば、次回食べる時、冷蔵庫から出して暖めて食べるようにする。
■すり潰したニンニクとレモン汁は、亜硝酸塩を減らす
- サラダを作る際、すり潰したニンニク、レモン汁を入れると、亜硝酸塩の含有量を減らせる。同様に、野菜を塩漬けする際、ニンニク、生姜、唐辛子汁を入れる。
- 緑葉野菜、すなわちトマト、ナス、冬瓜などのウリ科野菜の中の亜硝酸塩含有量は比較的低く、危険性も比較的小さい。
◆ 記事の概要(8月3日付新京報)
タイトル:亜硝酸塩を狙い撃ち
新鮮に見える加工肉及び一晩置いた野菜は少ししか食べないようにする
1.衛生部が最近発表した食中毒発生状況によれば、各地で亜硝酸の過量使用、過量使用の加工味噌漬肉や煮込料理によって10件の食中毒事故が発生し、169人の中毒患者と7人の死者が発生している。亜硝酸塩は、それ自身の毒性のほか、酸性条件下でタンパク質分解産物と反応し、発がん物質であるニトロソアミンを容易に産生することで間接的に発がん性を有している。
2.しかしながら、一般の消費者や医療従事者は、亜硝酸塩の危害に対する認識が不十分である。実際、亜硝酸塩は、2つの要因で産生する。1つは人による添加、もう1つは自然発生である。
■人為添加 白くて新鮮な加工肉中に亜硝酸塩が潜んでいる
1.誰もが亜硝酸塩が有毒であることは知っているけれども、自分が毎日食べる肉の中にいくつかの亜硝酸塩が含まれていると考えている人は少ない。
2.専門家によれば、消費者が、肉を買う際に、若々しく新鮮な色の良い、食感の良いものを好むなどの消費者心理が働く以上、各種肉製品の加工に亜硝酸塩を加えることは避けられないという。
■自然産生 “浅漬け”漬物の亜硝酸塩含量は高い
1.多くの人が漬物食品は健康に良くないと知っているとおり、実際、漬物野菜には亜硝酸塩を比較的多く含まれている。専門家によれば、野菜は生長過程で土壌中の窒素や人為的に散布した窒素肥料を吸収し、この窒素が野菜中の亜硝酸塩となる。硝酸塩自体は無害であるが、細菌が繁殖する状況下で硝酸塩は亜硝酸塩に容易に変化し、これが野菜中の亜硝酸塩となる。
2.また、漬ける時間の比較的短い漬物には亜硝酸が高く含まれる。一般的に野菜中の亜硝酸塩含量は3日から10日の間にピークがある。北方地区では1ヶ月以上漬け、南方地区でも20日以上漬けるので、亜硝酸塩の濃度はピークを越えていて、細菌による利用分解も進んで濃度は下降し続ける。従って、一般的な飲食店でよく見られる10日以内の漬物は注意が必要である。多くのレストランでは漬物の需要は大きく、漬ける時間が不足している。特に、酸菜魚老鴨スープの漬物は通常漬ける時間が十分でなく、多くの亜硝酸塩を含むという。
■一晩置いた料理、火鍋スープは容易に亜硝酸塩を増やす
1.解放軍の医師によれば、漬物以外、新鮮野菜を調理し食べる際にも注意が必要であるとしている。新鮮野菜を使った料理を一晩置けば、亜硝酸塩が大量に産生される。家庭で作った料理は冷蔵庫に保管していても空気に触れるため細菌が繁殖することになる。
2.夏場に冷たい和え物料理は好まれるが、温かい料理よりも微生物は容易に繁殖することから、暖かい料理に比べ変質しにくいが、亜硝酸量が少ないわけではない。
3.火鍋スープには食物エキスが濃縮されていると考え、飲まないのは残念であるが、亜硝酸塩がスープ表面に容易に融けている。
■鮮赤色の加工肉は買わない
1.レストランやスーパーで加工肉を購入する際に、肉の色調をチェックすることによって、肉食の中に亜硝酸塩を添加したかどうかが分かる。加工肉が鮮明な赤色を呈し、食感が普通の加工肉より滑らかで、肉質繊維すら感じられない場合、亜硝酸塩の添加によって現れた効果かもしれない。
2.亜硝酸塩を添加していない加工肉は、外見は一般的に褐色を呈する。また、スーパーから購入した生肉が煮た後、ピンク色を呈した場合も亜硝酸塩を添加した可能性がある。
3.そのほか、「美色」が欲しくて、「新鮮で柔らかい加工肉」を買いたいという自分の消費心理を調整すべきであり、それが根源的に肉類食品中の亜硝酸塩添加の問題を解決することになる。
■野菜は漬けるよりさらす
1.多くの人は、野菜表面の残留農薬を心配しているため、買った野菜をきれいに洗うだけではなく、しばらく水に漬けておく。野菜を水に漬けるよりさらした方がいい。中国農業大学の研究では、塩水に漬けるのは洗剤を使ってからさらに水道水でさらした方より効果があったわけではない。そして、さらして洗われた野菜の方は亜硝酸塩の含有量は20分水に漬けたものより低かった。
2.野菜の保管も大変重要である。野菜は常温で置いて2,3日経てば、その中の亜硝酸塩は高まる可能性がある。特に、緑葉野菜の場合がそうである。また、野菜を冷蔵庫に入れると、野菜の亜硝酸塩の生成を2,3日遅らせることができる。ただし、長期に冷蔵されたキャベツの場合には、硝酸塩及び亜硝酸塩の含有量が逆に下がるが、これは冷蔵過程において栄養が消耗され、他の窒素化合物に変化したことに原因があるかもしれない。
■ビタミンCを入れて、塩漬け製品は半月以上漬ける
1.家庭が塩漬け製品を作る際、以下の事項を注意すれば、塩漬け製品中の亜硝酸塩を減らすことができる。
2.できる限り新鮮な野菜を選び、冷えた水を使って塩漬けする。塩を多めに入れて、濃度を15%以上にした方が良い。また、塩漬けする際に、何錠かのビタミンCを入れて、亜硝酸塩の生成を阻害することができる。最後に、塩漬けの時間に注意し、15日以上漬けるべきである。
3.また、スーパーで買えば、正規業者により生産された塩漬製品を購入することを薦める。これらの業者は、技術条件も衛生条件も国家基準に達しているからである。
■外食時の残りを持ち帰らないように、家庭用は先出し。
1.料理の残り物は、亜硝酸塩を産生するおそれがあるが、倹約化の主婦はなかなか捨てられない。どうすればいいか。
2.残った料理の中の亜硝酸塩は自らが含有する硝酸塩から変化したものであり、また、食事する際に、箸の動きによって空気中の細菌と食品が十分に接触する。また、宴会になると、食事は2、3時間がかかって、また持ち帰りに1、2時間がかかる。そんなに長い時間が立つと、冷蔵庫に入れても意味がない。
3.従って、主婦は作った料理が多いと思う場合、出来上がった時点で、一部を分けておいて、料理が少し冷めてから冷蔵庫に入れて保存しておけば、次回食べる時、冷蔵庫から出して暖めて食べることができる。これで細菌の繁殖と亜硝酸塩の生成を最大限度減少させることができる。
■すり潰したニンニクとレモン汁は、亜硝酸塩を減らす
1.自然界には、亜硝酸塩の含有量を減らすことができる食物が多くある。サラダを作る際、すり潰したニンニク、レモン汁を入れると、亜硝酸塩の含有量を減らせる。なぜなら、ニンニクが亜硝酸塩の含有量を減らし、ニンニク汁の有機硫化物、レモン汁のビタミンCやその他還元性物質は、亜硝酸塩のニトロソアミンへの変換を阻害することができるためである。
2.同様に、野菜を塩漬けする際、ニンニク、生姜、唐辛子汁をいれることも亜硝酸塩の含有量を減少させる効果がある。また、緑葉野菜、すなわちトマト、ナス、冬瓜などのウリ科野菜の中の亜硝酸塩含有量は比較的低く、危険性も比較的小さい。 |