【新疆ウイグル自治区の情勢】
新疆ウイグル自治区では昨年5月のウルムチ市内の爆発事件以降も各種の事件が発生(以下3.)しており、外務省は新疆ウイグル自治区につき「スポット情報」を発出し、渡航者に引き続き注意喚起を行っています。
スポット情報→ http://www2.anzen.mofa.go.jp/info/pcspotinfo.asp?infocode=2014C193
【邦人の方への一般的な注意事項(犯罪関連)】
空港やレストラン、駐車場等でのサイフやパスポートの盗難(スリや置き引き、車上狙いに遭う事例)が引き続き多発しています。空港、駅、バスターミナル等、人混みの中では特に注意が必要です。
市街地で会った客引きについていき、いわゆる「ぼったくりバー」や「違法マッサージ」で被害に遭う事案や、三輪車や白タクで法外な料金を要求される事例も発生しています。
裁判所、警察、郵便局を装った振り込め詐欺も発生していますので注意が必要です。 |
1.社会・治安情勢
社会全体としては安定しているが、社会に不満を有する人物による事件、土地・開発・環境問題や官憲の横暴等に関係する地方政府等に対する抗議活動が発生している。新疆ウイグル自治区等では民族・宗教も絡むと考えられる暴力事案や凶悪犯罪も発生し、死傷者も出ている。
2012年秋に発生したような日本を標的とする抗議・破壊活動は発生していないものの、引き続き日本に対して厳しい見方が存在している。
2.一般犯罪・凶悪犯罪の状況
地域的な特性はないが、人混みでの将棋倒し事案や、通り魔、バスへの放火等の様々な事件が発生している。
中国国家統計局の発表によれば、2013年(2014年の統計数値は未発表)の刑事事件の立件数は全国で約659.8万件、前年比で約7%増加している。2013年は、殺人事件は約1万件(前年比約6%減)、傷害事件約16万件(前年比約1%減)、強盗事件約14.6万件(前年比約19%減)と減少しているが、誘拐事件約2万件(前年比約12%増)、一番多い窃盗事件は約450万件で約22万件(前年比約5%増)の増加、特に詐欺事件は67.6万件で約12万件(前年比約22%増)と大幅に増加している。交通事故による死亡者は約5.8万人であり、交通事故は引き続き多発。
3.テロ・爆弾事件発生状況
新疆ウイグル自治区では、多くの事件が発生し、死傷者が出ている。当局の発表では、昨年4月と5月に同自治区中心都市であるウルムチ市において爆発物や刃物等を用いた事案が発生し、特に5月の事案(朝市に車が突入し、爆破・炎上する事案)では39名が死亡、94名が負傷した。その後も、ホータン地区、カシュガル地区、バインゴリン・モンゴル自治州において暴徒による事案が発生、警察等の公的機関が標的になるだけではなく、暴徒が爆発物を投擲、刃物で市民を殺傷する事案が発生している。本年1-3月では、カシュガル地区の商業区で爆破装置を起爆しようとした人物が摘発されたことや、ホータン地区で男性が自爆し7人が死亡した事件等が報じられている。新疆ウイグル自治区への渡航、滞在には、特に情勢に十分な注意が必要である。
その他の地域においても、昨年3月に雲南省昆明市の駅構内で無差別殺傷事件が発生しており、同種の事件の発生には一定の注意が必要である。
4.誘拐・脅迫事件発生情報
邦人の被害はないものの、2.のとおり、誘拐事件は中国内において多数発生し、増加の傾向にある。邦人関連では、上海等を中心に「ぼったくりバー」、「違法マッサージ店」で数十万円を脅し取られる等の被害が多発している。
5.日本企業の安全に関わる情報
2012年に発生したような抗議活動に係る日本企業を標的とした破壊活動等は発生していないが、日本に対して厳しい見方も存在している。いわゆる歴史問題関連では、第二次世界大戦中の強制連行に関して日本企業等に対する訴訟が中国内で起こされている。
労働者解雇や契約上のトラブル等を理由に、日本人を含む企業経営者側が労働者側により事務所内に閉じ込められたり、暴力を振るわれる事案も発生している。
なお、従業員への未払い給与等の負債がある場合には、民事訴訟係属中又は民事訴訟敗訴後の未履行を理由として、中国当局により出国が制限される場合がある。
6.健康・生活
健康管理面では大気汚染が引き続き中国の広範囲で発生している。インフルエンザA(H7N9)については、本年以降も引き続き華東、華南地方を中心にヒト感染例が確認(当館管轄内では湖南省で確認)されている。狂犬病による死亡例やはしか、デング熱等の各種感染症など一般的な衛生面での注意が必要である。
チベット等の高所を訪問する場合は、高山病への備えが必要。 |