【邦人の方への一般的な注意事項 】
社会全体としては比較的安定していますが、空港やレストラン、駐車場等での貴重品やパスポートの盗難が引き続き多発しています。空港、駅、バスターミナル等、人混みの中では特に注意が必要です。
市街地で会った客引きについていき、いわゆる「ぼったくりバー」や「違法マッサージ」で被害に遭う事案や、三輪車や白タクで法外な料金を要求される事例も発生しています。
裁判所、警察、郵便局を装った振り込め詐欺も発生していますので注意が必要です。 |
1.社会・治安情勢
社会全体としては比較的に安定しているが、社会に不満を有する人物による事件、土地・開発・環境問題や官憲の横暴等に関係する地方政府等に対する抗議活動が発生している。新疆ウイグル自治区等では民族・宗教も絡むと考えられる暴力事案も発生している。
本年は終戦70周年にあたり、とりわけ8月から9月にかけて、日本や日中関係に特に関心が集まりやすい状況にあったものの、 2012年秋に発生したような日本を標的とする大規模な抗議・破壊活動は発生していない。 しかしながら、今後とも引き続き 歴史等を巡る対日感情の動向には留意する必要がある。
2.一般犯罪・凶悪犯罪の状況
地域的な特性はないが、 窃盗や詐欺をはじめとする犯罪は引き続き多発しており、発砲事件、刃物による殺傷等の 事件 も発生している。
中国国家統計局の発表によれば、 2013年( 2014年の統計数値は未発表)の刑事事件の立件数は全国で約 659.8万件、前年比で約 7%増加している。 2013年は、殺人事件は約 1万件(前年比約 6%減)、傷害事件約 16万件(前年比約 1%減)、強盗事件約 14.6万件(前年比約 19%減)と減少しているが、誘拐事件約 2万件(前年比約 12%増)、一番多い窃盗事件は約 450万件で約 22万件(前年比約 5%増)の増加、特に詐欺事件は 67.6万件で約 12万件(前年比約 22%増)と大幅に増加している。
交通事故による死亡者は約 5.8万人であり、交通事故は引き続き多発している。
日本人が、空港やレストラン、駅、駐車場等で貴重品やパスポートの盗難に遭う窃盗事件は引き続き発生しており、裁判所、警察、郵便局を装った「振り込め詐欺」の被害に遭うケースも増えている。また、いわゆる「ぼったくりバー」や「違法マッサージ」で被害に遭う事例もある。
また、8月には、北京市の繁華街である三里屯において、1名が刃物により殺害され、フランス人1名が負傷する事件が発生している。
本年6月には湖北省の長江で旅客船が転覆、死者400名を超す惨事が発生 、また、8月12日に天津市で起きた倉庫の火災・爆発事故では、死者165人、行方不明8人等の被害が生じ、一部の日系企業にも被害が生じた。
3.テロ・爆弾事件発生状況
新疆ウイグル自治区では、多くの 暴動や無差別殺傷事件が発生していると見られ、 新疆ウイグル自治区への渡航 ・滞在には、 引き続き情勢に十分な注意が必要である。
その他の地域においても、昨年 3月に雲南省昆明市の駅構内で無差別殺傷事件が発生、本年9月30日には広西チワン族自治区柳城県において連続爆発事件が発生し10名が死亡する等、同種の事件の発生には一定の注意が必要である。また、国境地域においては、不法越境・密入国をしようとした人物が当局に射殺される等の事案も発生している。
4.誘拐・脅迫事件発生情報
邦人の被害はないものの、2.のとおり、誘拐事件は中国内において多数発生し、増加の傾向にある。邦人関連では、上海等を中心に「ぼったくりバー」、「違法マッサージ店」で数十万円を脅し取られる等の被害が多発している。
5.日本企業の安全に関わる情報
最近では、2012年に発生したような抗議活動に係る日本企業を標的とした破壊活動等は発生していないが、
労働者解雇や契約上のトラブル等を理由に、日本人を含む企業経営者側が労働者側により事務所内に閉じ込められたり、暴力を振るわれる事案も発生している。
なお、従業員への未払い給与等の負債がある場合には、民事訴訟係属中又は民事訴訟敗訴後の未履行を理由として、中国当局により出国が制限される場合がある。
6.健康・生活
健康管理面では大気汚染が引き続き中国の広範囲で発生している。インフルエンザA(H7N9)、狂犬病、手足口病、デング熱等の各種感染症など一般的な衛生面での注意が必要である。チベット等の高所を訪問する場合は、高山病への備えが必要。
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