日本大使館広報文化センターでは、中国の方に日本映画の魅力をもっと知っていただくために、定期的に「日本映画上映会」を実施しています。日本の優れた映画を多数上映しますので、ぜひご来場ください(日本語音声、中国語字幕付き)。
1.日 時:1月16日(木)、2月20日(木) 19:00~(18:30開場)
日本映画界を代表する巨匠・小津安二郎監督。その生誕110年及び没後50 年(昨年2013年12月12日)を記念し、1月、2月の日本映画上映会で、小津安二郎作品の代表作を上映致します。世界に誇る日本映画の名作なので、ぜひお見逃しなく。
2.場 所:日本大使館 広報文化センター
- 身分証明証又は閲覧証を携行して下さい。お持ちでない場合は入館できません。ご注意下さい。
- 小学生未満のお子様のご来場はご遠慮下さい。
- 会場内への食べ物の持ち込み、飲食は不可となっています。予めご了承下さい。なお、日本映画上映会のみ、飲料水の持ち込みを例外的に認めます。
3.お申し込み方法
予約券(登録証)の発行は、先着150名までとさせていただきます。予約は、映画上映日の1週間前の午前9:00から受付を開始します。(例えば、1月16日の映画上映会の予約は、1月9日の午前9:00以降に届いたメールが有効となります)
お申し込み方法は、メールの件名を「○月○日『映画のタイトル』」として、お名前と連絡先を記入の上、newsletter@pk.mofa.go.jpまで送信して下さい(メール1通につき、映画1本、2名まで登録が可能です。)。
【例】
宛先:newsletter@pk.mofa.go.jp
件名:1月16日『秋刀魚の味』
本文:山田 太郎 1380xxxxxxx、鈴木 花子 1860xxxxxxx
登録が完了した方には、当館からメールで登録証を返送します。当日は写真付きの身分証明証または当館閲覧証と登録証を持参して広報文化センターへお越し下さい(印刷できない場合は登録証番号を控えてお越し下さい)。
予約なしで当日お越しになった方も座席に余裕があれば入場が可能です。但し、満席になった場合は入場できませんので、確実にご覧になりたい方は、上記3.の方法で事前に予約されることをお勧めします。
なお、参加希望のメールを発信してから48時間以内(休館日を除く)に当館から何の連絡もない場合は、お手数ですが電話にてご確認下さい。
4.2014年1、2月の上映作品
~小津安二郎名作上映会~
1月16日(木)19:00~『秋刀魚の味』(フィルム上映、日本語音声、中国語字幕)
監督:小津安二郎 キャスト:笠智衆、岩下志麻他 1962年作品 112分
【1月9日 午前9時 予約受付開始】
内容:長男の幸一夫婦は共稼ぎながら団地に住んで無事に暮しているし、家には娘の路子と次男の和夫がいて、今のところ平山にはこれという不平も不満もない。細君と死別して以来、今が一番幸せな時だといえるかもしれない。わけても中学時代から仲のよかった河合や堀江と時折呑む酒の味は文字どおりに天の美禄だった。その席でも二十四になる路子を嫁にやれと急がされるが、平山としてはまだ手放す気になれなかった。中学時代のヒョータンこと佐久間老先生を迎えてのクラス会の席上、話は老先生の娘伴子のことに移っていったが、昔は可愛かったその人が早く母親を亡くしたために今以って独身で、先生の面倒を見ながら場末の中華ソバ屋をやっているという。平山はその店に行ってみたがまさか路子が伴子のようになろうとは思えなかったし、それよりも偶然連れていかれた酒場“かおる”のマダムが亡妻に似ていたことの方が心をひかれるのだった。馴染の小料理屋へ老先生を誘って呑んだ夜、先生の述懐を聞かされて帰った平山は路子に結婚の話を切り出した。路子は父が真剣だとわかると、妙に腹が立ってきた。今日まで放っといて急に言いだすなんて勝手すぎる―。しかし和夫の話だと路子は幸一の後輩の三浦を好きらしい。平山の相談を受けた幸一がそれとなく探ってみると、三浦はつい先頃婚約したばかりだという。口では強がりを言っていても、路子の心がどんなにみじめなものかは平山にも幸一にもよくわかった。秋も深まった日、路子は河合の細君がすすめる相手のところへ静かに嫁いでいった。やっとの思いで重荷をおろしはしたものの平山の心は何か寂しかった。酒も口に苦く路子のいない家はどこかにポッカリ穴があいたように虚しかった。
2月20日(木)19:00~『秋日和』(フィルム上映、日本語音声、中国語字幕)
監督:小津安二郎 キャスト:原節子、司葉子他 1960年作品 128分
【2月13日 午前9時 予約受付開始】
内容:麻布の寺で行なわれた三輪周造の七回忌で、間宮、田口、平山周三らの東大時代の親友達は、未亡人秋子、周造の兄周吉と共に列席した美しく成長した遺子アヤ子の結婚相手をみんなで見つけようという相談をまとめた。秋子はその昔、本郷三丁目の薬屋の看板娘で、周吉ら四人とも惚れ合い、周造が得たというわけもあって、この三人はどこか母の若いころに似たアヤ子の結婚話には殊更力を入れてるわけだった。秋子も年よりはずっと若く見え、まだまだ美しく、時々アヤ子と姉妹と思われるほどだった。
間宮は早速自分の会社の社員後藤に引き合わせようとしたが、アヤ子は写真も見ず断わった。彼女の心は、一人ぼっちになってしまう母のことで一杯だった。しばらくして母の用で間宮の会社へ行った時、偶然当の後藤に引き合わされた。アヤ子は後藤に好意を持ったが、母のことを思うとそれ以上近ずけなかった。母は自分のさびしさを抑えて交際を勧めるが、娘は納得しなかった。後藤の学友でアヤ子の同僚の杉山や、親友の百合子も二人の交際をすすめた。
アヤ子の母に対する気持ちを察した間宮、田口、平山は、それでは母の方から片づけてしまおうということになった。ヤモメ暮らしの平山が、そのムコさん候補に擬せられた。だが、昔恋していた間宮と田口は、中途で平山と結ばせるのが惜しくなり、真直に話が通らなかった。それどころか、娘のアヤ子だけが、この話を知り、何もしらぬ母を捉えて、水臭いと言い合った末、家を飛び出し、百合子の家に泣き込むという事態となってしまった。
下町育ちのすし屋の娘で、アヤ子よりはずっと苦労人の百合子は、アヤ子の身勝手をたしなめ家に帰す一方、間宮と田口、平山を集めてその中途半端をなじり平山とアヤ子の母を結ばせようとした。
母と娘は連れ立って伊香保で温泉宿をしている周吉のところへ旅行した。これが二人だけの最後の旅だという感概をこめて…。
湯の宿の夜、榛名湖の朝、母は娘に亡父のおもかげを背負って一人暮らして行く自分の気持を打ち明けた。さびしさを話す母の声は以外に明るかった。
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