1.現況
感染者数合計
中国におけるHIV/AIDS感染者は、急速に増加中です。12月1日の世界AIDSデーに中国政府は今年9月末までのデータを公表しました。
感染者数:13.6万人(うち発病者は3.1万人、死者0.7万人)
感染原因:麻薬41%、輸採血23%、性交渉9%、不詳23%(不詳のうち多くは性関係が原因と推測)
しかし、HIV/AIDS感染者は、03年末時点で、中国政府と国連エイズ計画は実際には約84万人存在すると推計しており(香港・マカオは除く。因みに、日本は約1.2万人と推計)、実報告者数13.6万人とは大きな開きがあります。つまり、感染者の多くは、中国政府に報告されていません。
感染者の新規増加
04年の中国におけるHIV/AIDS新規発病者は3,054人(死者741人)、05年のHIV/AIDS新規発病者数は6,618人(死者は968人)でした。
2.北京市の現況
北京市政府によると、市内のHIV/AIDS感染者数は約2700人、北京市以外籍の住民が80%を占めています。北京市は中国の中でも感染者数が比較的多いと言えます。予防策については、下記「エイズ予防情報ネット」等をご参照下さい。
3.中国政府の対策
国連エイズ計画は、HIV/AIDS感染が中国で広がっており、効果的対策が無い場合は2010年までに感染者数が1000万人を超えると警告しています。そこで、中国政府は、エイズ予防治療計画(2006-10)に基づき、2010年の感染者を150万人以内に抑えることを目標として、売買血の取締まり/無償献血体制の構築、検査体制の構築、治療薬の供給、孤児や母子感染児童の福祉等について対応しています。
4.HIV/AIDS予防に関する日本の対中ODA
2006年から、中国の西部にある甘粛省への日本人専門家派遣等を通じて、HIV/AIDSに関する技術協力がスタートします。
甘粛省は、確認された感染者数は多くないですが、西部の貧困省なので、予防・治療のための専門的研修を受けた医療従事者、カウンセラーが質・量ともに不足し、性感染症患者等ハイリスク集団への対応が十分ではありません。
日本人専門家の派遣、現地職員の人材育成を行うとともに、簡易検査機材等を供与する予定です(JICAにより3年間実施予定)。
(関係HP)
財団法人エイズ予防財団エイズ予防情報ネット(http://api-net.jfap.or.jp/)
国連エイズ計画(http://www.unaids.org/EN/Geographical+Area/by+country/china.asp)
(専門のカウンセラーによる電話相談)
財団法人エイズ予防財団 03-3592-1183
年末年始・祝祭日を除き、月~金10:00~13:00、14:00~17:00(日本時間)
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