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「私が心がけている原則とは、中国の方から写真を一緒に撮ってくださいと言われたら断らないことである」

 

雑誌「外交官」による木寺大使インタビュー(仮訳)

 

 

 大使公邸で、噂に聞く木寺昌人(きてら まさと)閣下に初めてお会いした私たちは大変緊張していた。ここ数年、木寺大使は在中国日本国大使として大きなプレッシャーに直面していたからかも知れないが、彼の目線は常に注意深く、言葉使いは周到に考えられたものだった。中国人記者は決して与し易い相手ではないから、うっかりして「落とし穴」にはまってしまうことを警戒されたのだろうか?それもおかしなことではないだろう。ここ数年の日中関係は、戦火と硝煙の中にあったのだから。


 そこで、私たちは、京都の風景のような大使公邸の庭の話題から始めることにした。

 

外交官雑誌:木寺大使、こんにちは。私たちのインタビューをお受けいただきありがとうございます。今回、私たちは初めて日本大使公邸に伺いましたが、本当に信じられないくらい美しいところですね。まるで、春の京都に来たようです。ここから見る風景は、とても静かで落ち着いています。自分たちが、北京にいるとは全く思えないくらいです。


木寺大使:お会いできて嬉しく思います。この公邸は、建てられてから19年が経ちました。日本の京都のようだと言って頂き大変嬉しく思います。3月にはここは桜の花が満開になります。北京駐在のスペイン大使も来たことがあり、この庭園には日本の「禅」の美しさを感じると驚かれていました。公邸の内装や窓から見える景色、庭の木の配置などは、日本風の様式に則っています。


外交官雑誌:そうですか。まるで宮崎駿監督のアニメの世界に来たようです。また、中国の若者がかつて見ていた「一休さん」に出てくる雅な画面のようでもあります。北京にいながら、日本にいるようです。まさに、千里の先に求めていたものが、実は一歩離れたすぐ近くにあったという感じです。


木寺大使:面白いですね(笑)。私も一休和尚は知っています。日本の歴史上の有名な高僧です。


外交官雑誌:それでは、インタビューを始めたいと思います。木寺大使は、在中国日本国大使として、最近の日中関係をどう見ておられますか。


木寺大使:私は2012年12月、日中関係が極めて悪い時に赴任しました。この2年半、自分が大使としてできることを地道にやってきました。そして、時間はかかりましたが、昨年11月の北京APECの際には安倍晋三総理と習近平国家主席の間で日中首脳会談が実現し、今年4月にはインドネシアのバンドン会議の際に、2回目の首脳会談が行われました。


 このように日中関係が少しずつ良い方向に向かって進んでいることを大変喜んでいます。しかし、まだ日中関係は更に良くしていく必要があるし、それは決して容易ではないと思います。私自身、一層努力していきたいと思います。


 中国外交部は「中国の立場は一貫している」や「これが中国外交の原則である」との言い方が好きであり、こちらも「原則」を振りかざしたい誘惑に駆られることもありますが、これがいつも有効であるとは限りません。私が北京で貫いている原則は、中国の方から「日本大使ですよね。写真を一緒に撮ってください」と声をかけられたら、お断りしないことです。


 私の任期中に遂行すべき任務は山積していますが、日中関係の改善に向けて、一つ一つ着実に進めていくしかありません。その中でも、2015年には、これまでなかなか出来なかった大型文化行事を実施していきたい。すでに4月2日、3日には、日本の歌舞伎と中国の京劇の共同公演「梨園の約束」が北京の梅蘭芳劇場で開催されました。今年10月中旬から11月中旬は、「日中文化交流集中月間」として、更に様々な大型文化行事が開催されるよう準備を進めています。具体的には、今後、大使館HPや微博、微信等でご案内したいと思いますので是非、見てください。


外交官雑誌:中国のどの都市に行ったことがありますか?それらの都市の印象を教えてください。


木寺大使:私が初めて中国に来たのは1986年で、当時は、中華全国青年連合会の招へいで、北京、西安、成都、楽山、上海等を訪問しました。今回大使として赴任して、約30年振りにこれらの都市を訪問しましたが、西安では高層ビルが建ち並び、街の様子が全く変わってしまっていて、大変驚きました。また、成都もやはり大きく変わっていましたが、街全体の雰囲気はまだ残っていてほっとしました。蘇州を訪問した際には、古い街並みはしっかりと残しつつ、新しい街を作っていることに強い印象を受けました。どの都市であれ、中国は少し見ない間にも変化があり、その変化の速さには実に驚かされます。


外交官雑誌:近年日中の民間外交は依然として活発です。この現象をどのように見ていますか?中国人と日本人にとって、互いに補い合って学べるのはどのような点だと思いますか?


木寺大使:日中関係は、国交正常化から40年余りで、より幅広く、深くなっています。この関係は容易には壊れないと確信しています。民間交流は依然として活発で、日本企業は中国各地で活躍しており、日中協力の現場がそこにあります。また、日本語を学ぶ中国人学生も多く、スピーチコンテストや作文コンテスト等様々な行事が頻繁に開催されており、私も時々出席し、皆さんを激励させていただいています。


 こうした中国人学生が日本語を学ぶきっかけとして一番多いのが、日本のアニメやマンガとの出会いです。中国の若い皆さんは、日本のアニメやマンガを通じて日本を知り、日本の若者と同じ「感動の共有」をしています。皆さんが日本との接点を積極的に作り、一生懸命に頑張っている姿にいつも感動し、私も勇気をもらっています。


 今の日中関係に大切なことは、互いに補い合うということもそうですが、私は何より、こうした若者の間での「感動の共有」を通じて、相互理解と相互信頼を深めていくことであると思っています。様々な交流を通じて、相手と自分の同じところ、違うところについて知り、日中の国民同士がありのままの相手の姿を学べば、きっとそれぞれが得るところが大きいと思いますし、そうすることが将来にわたって安定した日中関係の基盤になると思っています。


外交官雑誌:今、日本観光がとても人気です。たくさんの中国人が日本に行きたがることも、民間交流が盛んなことの一つの表れだと思います。では、我々の読者に大使が推薦する日本の都市と観光ルートを紹介していただけますか。


木寺大使:私が最近訪れて印象深かった場所は、秋田県です。秋田市には、有名な画家の藤田嗣治氏の名作があります。秋田では、妻と一緒においしいお米、魚、お酒を堪能しました。秋田名物に「だまこ鍋」といって、つぶしたご飯を直径3センチほどに丸めた「だまこもち」と鶏肉や野菜を入れた鍋があって、大変お薦めです。


 また、仕事柄、外国で長い期間生活していると行きたくなる街は、京都、奈良です。京都、奈良に行くと、自分の日本人としての原点に触れる思いがします。日本には他にも読者の方に訪れていただきたい街がたくさんありますが、ここで全てを紹介することはできません。ただ、今や中国の方の方が、私より日本の良い観光スポットについて詳しいのではないかと思います。日本は地域によっても、季節によっても違った特色があるので、私としては、より多くの方に、何度も日本に行って欲しいと思います。


外交官雑誌:お薦めの観光ルートとおいしい料理のご紹介ありがとうございます。では、大使のご家族とご自分の趣味について教えていただけますか。


木寺大使:私の家族は、妻と大学生の娘が一人います。妻は私と一緒に北京で暮らしていて、娘は大学で経済学を専攻していて、今は、就職活動中です。


 私の趣味は、散歩とゴルフです。週末の楽しみなのですが、今は週末も忙しくて、なかなか時間が取れないのが少し残念です。


外交官雑誌:大使公邸のお花は大変美しいですが、これはどなたが活けたものですか?


大使秘書:私からお答えします。大使夫人が活けられたお花です。


外交官雑誌:今日は大変楽しかったです。インタビューを終えて、私の心の中では、まるで「北国の春」の歌が鳴り響いているようです。大使とご家族の中国での生活とお仕事が幸福で愉快なものであることを心よりお祈りいたします。私たちの雑誌の読者も街で大使とお会いすることがあれば、家族のように大使に挨拶をしてくれることと思います。大使の在任中、日中関係が特別で平和な友好関係にあることを心から願っておりますし、大使のご努力が良い結果を結ぶことを信じています。美味しいお茶と素晴らしい景色をありがとうございました。大使と担当の方に感謝申し上げます。私たちは、世界が平和で、全てが良い方向に向かうと信じています。さようなら。


木寺大使:ありがとうございました。さようなら。

 

 

 


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