草の根 ちょっといい話
草の根無償を活用して新校舎を建設した甘粛省敦煌市の小・中学校より当館への感謝状
草の根無償を活用して新校舎を建設した甘粛省敦煌市の小・中学校より当館に感謝状が届きましたので、ここにご紹介します。この小・中学校の概要については本ページ後半の〔案件概要〕をご覧ください。
孟家橋中学校 李擁校長の手紙
尊敬する日本国大使、日本大使館の皆様へ
もうすぐ実りの秋を迎えようとしているみぎり、私は中国甘粛省敦煌市孟家橋中学校を代表し、皆々様のご多幸を心よりお慶び申し上げます。
本校は在中国日本大使館の「草の根・人間の安全保障無償資金協力プロジェクト」により建設された施設です。プロジェクトの契約後、私たちは真剣に校舎建設に取組み、当初の計画通りに竣工いたしました。2004年の冬の到来を待たずして、教師、生徒全員が広々とした、明るく、暖かく、気持ちのよい校舎に移ることができました。
中国には、「ひとしずくの恩を、泉として報うべし」という言葉があります。私たちは中日友好を促進し、人類が共に発展することを促進する皆様の善い行いを決して忘れないでしょう。今後は教師の仕事に心してかかり、本校からより多くの優秀な人材を甘粛省へ、そして世界へと羽ばたかせ、中日友好と世界平和の増進に尽力する所存であります。
皆様のご健康をお祈り申し上げます。
孟家橋中学校校長 李擁
2005年7月2日
孟家橋中学校学生(卒業生) 陳蕓蕓さんの手紙
在中国日本大使館のみなさんへ
こんにちは!
年月の流れは早いもので、今年も李や杏が熟す季節となりました。夏の風は熱気を帯びていますが、私たちの心もまた、あつく燃えています。私たちは広く、そして明るい教室で勉強した第一期生です。新校舎ができ、私たちは春のような優しさに包まれ、自由に自らを表現し、力強く未来を夢見ることができるようになりました。離れ難かった新校舎には、楽しい思い出が山のようにあります。
校庭には緑が生い茂り、樹には果物が実りました。各学年みな真面目に勉強し、新しい学校の発展に力を尽くそうと努力しています。このように努力を重ねておられる先生方や生徒たちを見るにつけ、私は大変感激します。新しい学校は私たちに強い心と勇気を与えてくれます。
ここに私は、中国の教育に対し援助してくれた皆様に心より感謝します。また、私は一人の卒業生として、立派な人物になれるよう努力します。この学校をより素晴らしいものにすることは私たちの責務です。
新校舎はもう雨漏りに悩まされることも無く、教室の周りには青々とした木々が茂っています。私たち両国が、今後も末永く力を合わせ、中日友好が永遠のものとなりますように!
皆さんのご健康とご多幸をお祈りいたします。
孟家橋中学校学生(卒業生) 陳蕓蕓
2005年7月1日
孟家橋中学校三年(1組) 李文姫さんの手紙
尊敬する在中国日本大使館のみなさんへ
こんにちは!
日本国による孟家橋中学校建設の援助プロジェクトの完成を、心よりお慶び申し上げます。私は孟家橋中学校全校生徒を代表し、支援下さった日本全国の国民の皆様と、日本大使館の皆様に敬意と心からの感謝の気持ちを表したいと思います。
旧孟家橋中学校は、これまでも優秀な人材を世に送り出してきましたが、校舎はその長い年月の間にひどく傷んでしまいました。日に日に古びていく校舎では、夏には雨漏りがひどく、冬は隙間風が入り、安心して勉学に励むことができませんでした。ところが今の学校には大きな変化が起こりました。広々とした明るい教室、清潔で整った校庭、広く平坦なグラウンド、緑あふれる校庭に私たちは暖かく包まれ、自由に自らを表現し、力強い明日を夢見ることができるようになりました。このまっさらな学校で、心地よく勉学に集中できそうです。
ここに、私たちの学校建設に支持と援助をくださった日本のみなさんに対して、再度心より感謝いたします。日本のみなさんのご好意を無にしないよう、私たちは勉学に励み、立派な人物になります。私たち両国がこれからも手に手をとりあい、末永く友好関係を築いていくことを心より願います。
日本全国の国民の皆様と、大使館の皆様のご健康とご多幸をお祈りいたします。
孟家橋中学校三年(1班) 李文姫
2005年7月6日
〔案件概要〕
(1)案 件 名:甘粛省敦煌市孟家橋学校建設計画
(2)被供与団体:甘粛省敦煌市人民政府
(3)案件概要:
危険建物の指定を受けた校舎での授業を余儀なくされていた小・中学校に対し、新校舎を建設するための資金を供与しました。具体的には、孟家橋中学校の校舎の一部を取り壊し再建する一方で、中学校の敷地内に小学校校舎を新築し、新校舎に移転することで、約1,120名の児童・生徒に対し快適な学習環境を提供しました。
(4)案件の社会的背景・ニーズ
案件の対象となった孟家橋中学校は敦煌市の郊外にあり、校舎の建築面積は3,064㎡ですが、そのうち1,697㎡は1982年以前に建設されたもので、危険建物の指定を受けていました。
中学校は非常に過酷な乾燥地帯に位置しており、その自然環境は非常に厳しいため、危険建物の指定を受けた部分の劣化には激しいものがありました。基礎部分・壁面には大きな亀裂が走り、屋根は剥落し教室の天井は抜け落ちるといった具合でした。
案件の実施前は、こうした劣悪な環境の中で約550名の生徒(全校生徒数の約3分の2)が授業を受けていました。また、その学校から500mほど離れたところにある孟家橋小学校もその建物の大部分が危険な状態と判断され、小学校の児童も劣悪な環境の中での授業を余儀なくされていました。
(5)裨益効果:
案件の実施後は、約1,120名の小学校児童・中学校生徒が安全かつ快適な学習環境で授業を受けることが可能になりました。
(6)供与額:79,830米ドル
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