甘粛省永靖県紅泉鎮紅格達小学校建設計画など4件の署名式を実施
(10.02.04)
2月4日、当館における今年度草の根・人間の安全保障無償資金協力案件、「甘粛省永靖県紅泉鎮紅格達小学校建設計画」、「甘粛省定西市渭源県上湾郷圓樹小学校建設計画」「甘粛省民楽県新天鎮王什小学校校舎建設計画」、「甘粛省敦煌市粛州鎮武威廟小学校建設計画」の贈与契約署名式が、甘粛省において執り行われました。署名式には、当館より大崎佳奈子書記官が、現地側より藺 永紅・甘粛省商務庁国際援助処処長ほかが出席しました。
【案件概要Ⅰ】
(1)案 件 名:甘粛省永靖県紅泉鎮紅格達小学校建設計画
(2)被供与団体:甘粛省永靖県人民政府
(3)案件概要:
甘粛省東南部の永靖県紅泉鎮紅格達小学校において、校舎1棟(レンガコンクリート構造、平屋、建築面積370.5㎡)を建設する。
(4)案件の社会的背景・ニーズ:
永靖県は甘粛省東南部に位置し、省都・蘭州市から約132kmの距離に位置する。当県は西部内陸高度高原地帯に属し、海抜は1560~2851メートル。年間降水量は260ミリと極端に少なく、旱魃に悩まされているうえ、地質の悪さから雨が降っても水土の流失が激しい。県の主要産業は農業で、主な農作物はトウモロコシ、馬鈴薯である。厳しい旱魃という自然環境の悪さから農業発展に伸び悩み、また、他に特筆すべき産業が無いため経済発展は遅れており、県民の年間平均収入は1,533元(約2万3千円)と低く、国家級貧困県に指定されている。
永靖県紅泉鎮紅格達小学校は、1979年に設立され、在校児童数92人、教師7人(※2009年9月現在)を有している。
現有校舎は2棟の平屋建てで、建築面積は合計351.8㎡であるが、1970年代に建てられた土木建築で老朽化が激しく、床の沈下をはじめ、雨漏り、壁の剥がれ落ちやひび割れなどが顕著にみられ、所有する全ての建築物が倒壊の危険性もあるD級危険建築物に認定されている。また、2008年に発生した四川大地震の影響で、建物の劣化が更に進んだため、2008年7月に、県貧困扶助弁公室の資金により、プレハブ校舎148㎡を建設、合わせて、校舎の修築を行った。現在、児童72人がプレハブ校舎で授業を行っているが、冬季はマイナス20度前後になるうえ、プレハブ校舎の利用は臨時的な対応にすぎない。かつ、プレハブ校舎ではスペース不足から全児童を収容することが不可能なため、20人の児童が現有校舎にて授業を受けており、本校児童、教員は、危険な環境のもと、授業を行うことを余儀なくされている。
(5)裨益効果:
本件の実施により、在校生92名、教職員7名が快適な学習環境の下で授業を行うことができるようになる。
(6)供与限度額:48,131米ドル(9月23日現在:4,957,493円、327,931.53元相当)
(7)特記事項:
本件の竣工後、コクヨ・インターナショナル株式会社より紅泉鎮紅格達小学校に対しノートが寄贈されることになっている。
【案件概要Ⅱ】
(1)案 件 名:甘粛省定西市渭源県上湾郷圓樹小学校建設計画
(2)被供与団体:甘粛省定西市渭源県人民政府
(3)案件概要:
甘粛省東南部の定西市渭源県上湾郷圓樹小学校において、校舎3棟(レンガ木造建築、平屋建て、総建築面積288㎡)、および職員室棟1棟(レンガ木造建築、平屋建て、建築面積150㎡)を建設する。
(4)案件の社会的背景・ニーズ:
定西市渭源県は甘粛省東南部に位置し、省都・蘭州市から約130kmの距離に位置する。当県は海抜2,140メートル、平均気温5.7度と低い。年間降水量は500ミリと極度に少なく、旱魃に加え、雹や霜による災害が多く、自然環境は劣悪である。主な産業はジャガイモ栽培、漢方薬剤等の農業であるが、自然環境の悪さから農業経済発展に伸び悩んでいる。また、他に特筆すべき産業が無いため、経済発展は遅れており、県民の年間平均収入は2,096元(約3万1千円)と低く、国家級貧困県に指定されている。
定西市渭源県上湾郷圓樹小学校は、1926年に設立され、在校児童数132名、教師7名(※2009年9月現在)から成る。当校は山あいに位置し(当校地点の海抜3,020メートル)交通の便が悪いが、上湾郷における重要な基礎教育機関とされている。
1970年に建設された同校の校舎は(土木構造、平屋建て、建築面積615㎡)は、老朽化がはげしく、雨漏り、虫食い、変形、ひび割れなどが顕著に見られる。加えて2008年5月12日に発生した四川大地震の影響で、床が落ち、ひび割れは更に酷くなり、校舎全てがD級危険建築物に認定された。本校児童、教員は、危険な環境のもと、授業を行うことを余儀なくされている。
(5)裨益効果:
本件の実施により、在校生132名、教職員7名が快適な学習環境の下で授業を行うことができるようになる。
(6)供与限度額:48,480米ドル(9月23日現在:4,993,440円、330,315元相当)
(7)特記事項:
本件の竣工後、コクヨ・インターナショナル株式会社より上湾郷圓樹小学校に対しノートが寄贈されることになっている。
【案件概要Ⅲ】
(1)案 件 名:甘粛省民楽県新天鎮王什小学校校舎建設計画
(2)被供与団体:甘粛省民楽県人民政府
(3)案件概要:
甘粛省中部の民楽県新天鎮王什小学校において、校舎1棟(レンガコンクリート構造、3階建て、建築面積1,080㎡)を建設する。
(4)案件の社会的背景・ニーズ:
甘粛省中央部に位置する民楽県は省都・蘭州市から約550kmの距離に位置する。年間平均気温は0-7.6度と低く、また、降水量も年間約400ミリと極端に少ない。農作地の大部分が農業に適さないアルカリ性の土壌であり、冬季にはツンドラ地帯となるため、農業発展に至らず、また、他に特筆すべき産業が無いことから、経済は伸び悩んでおり、県民の年間平均所得額は1,430元(約2万円)と少なく、省級貧困県に指定されている。
民楽県王什小学校は、1949年に設立され、在校児童289名(6学年と幼稚班、9クラス)、教師14名(※2009年9月現在)を有している。
1980年代に建設された同校の校舎3棟(土木建築、平屋建て、合計建築面積1,023㎡)は、2003年10月25日に当県で発生した、マグニチュード6.1の地震の影響をうけ、総面積のうち370㎡が倒壊の危険性のあるD級危険建築物に、その他部分はC級、B級危険建築物に認定された。現在、当校の校舎で幼稚班を含む1年生から4年生が授業を受けているが、残りの5年生と6年生は学校外部に教室を借りて授業をせざるをえない状況となっている。
(5)裨益効果:
本件の実施により、在校生292名、教職員14名(※2010年9月の予定数)が快適な学習環境の下で授業を行うことができるようになる。
(6)供与限度額:96,996米ドル(9月23日現在:9,990,588円、660,868.52元相当)
(7)特記事項:
本件の竣工後、コクヨ・インターナショナル株式会社より新天鎮王什小学校に対しノートが寄贈されることになっている。
【案件概要Ⅳ】
(1)案 件 名:甘粛省敦煌市粛州鎮武威廟小学校建設計画
(2)被供与団体:甘粛省敦煌市人民政府
(3)案件概要:
甘粛省西部の敦煌市粛州鎮において、鎮内の小学校2校を合併し、新たな小学校(教室棟6棟、職員室棟1棟、教師宿舎1棟、トイレ1棟、レンガコンクリート構造、平屋建て、総建築面積1,592㎡)を建設する。
(4)案件の社会的背景・ニーズ:
甘粛省西部に位置する敦煌市は面積31,200k㎡、人口18万人。主要な産業は農業であるが、元来農地として適さない塩分を多く含むアルカリ性の土壌であることに加え、砂礫質の土地であるため栽培できる品種は限られ、綿花や果物を栽培するに留まり、確かな経済基盤となるものではない。
甘粛省敦煌市粛州鎮武威廟小学校は、1964年に設立され、現在、児童375名(6学年、7クラス)、教師10名を有している。1964年に建設された同校の3棟の建築物(土壁構造、平屋建て、建築面積550㎡)は、D級危険建築物に指定され、1棟は使用禁止となり、152人が学校外部に教室を借りて授業をせざるをえない状況となっている。
甘粛省敦煌市粛州鎮南陽溝小学校は粛州鎮武威廟小学校より約4.8kmの地点にあり、1964年に設立され、児童181人(6学年、8クラス)、教師10人を有している。1970年代に建設された同校の4棟の建築物(土壁構造、平屋建て、建築面積840㎡)は、大部分がD級危険建築物に指定され、38人が学校外部に教室を借りて授業をせざるをえない状況となっている。
(5)裨益効果:
本件の実施により、在校生556名、教職員20名が快適な学習環境の下で授業を行うことができるようになる。
(6)供与限度額:96,797米ドル(9月23日現在:9,970,091円、659,510.64元相当)
(7)特記事項:
本件の竣工後、コクヨ・インターナショナル株式会社より粛州鎮武威廟小学校に対しノートが寄贈されることになっている。
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