「寧夏回族自治区石嘴山市恵農区紅果子中心衛生院医療機材整備計画」の機材引渡し式典を開催
(10.02.08)
2月8日、草の根・人間の安全保障無償資金協力案件「寧夏回族自治区石嘴山市恵農区紅果子中心衛生院医療機材整備計画」の機材引渡し式が現地で行われました。引渡し式には、当館より長田雅之也書記官、中国側より張秀・寧夏回族自治区商務庁副庁長、馬玉山・寧夏回族自治区石嘴山市恵農区区長、陶建平・寧夏回族自治区衛生庁外援項目弁副主任ほかが出席しました。
(1)案件名:寧夏回族自治区石嘴山市恵農区紅果子中心衛生院医療機材整備計画
(2)被供与団体:寧夏回族自治区衛生庁
(3)案件概要:
寧夏回族自治区石嘴山市恵農区紅果子鎮において、衛生院の医療機材を整備するための資金を供与する。
(4)案件の社会的背景・ニーズ:
寧夏回族自治区最北端、ガラン山の東山麓に位置する石嘴山市恵農区は人口約20万9千人(少数民族割合19%)、面積1,254k㎡を有する。人口の1/4以上を占める農民はトウモロコシや小麦、クコの栽培を主な収入源としているが、耕地の多くはアルカリ性土壌であり作物の生産量が少ないことに加え、旱魃や降雹、砂嵐、洪水等の被害が頻発する地域であるため、経済は立ち遅れており、当地住民の平均年収は3,867元と低く止まっている。また当地ではフェロ・シリコンやマグネシウム、コークスが採れることから工業園区が密集しており、地域病として呼吸道疾病及び心血管病の発病率がそれぞれ33.3%、30%と突出して高い。
同区紅果子鎮衛生院(医師数9人、看護士数8人、職員8人、ベッド数20床)は、1978年創立の鎮中心衛生院であり、同鎮及び周辺地域の住民5万人余りに対して医療サービスを提供している。同院には内科、外科、小児科、中国医学科等が設けられており、年間のべ1万8,000人の患者を診察している。また、同院では医療技術の向上を目標とし、定期的に医師や看護士を上級医院へ派遣し研修を行うとともに、住民への無料の予防接種や妊婦に対する無料の定期健診などを行っており、同院は同地域の住民らには欠かせない医療機関であるといえる。
同院では、医療環境の改善を目指し、2007年に地方政府からの補助を受け総合診察楼の建設及び救急車の購入を行った。しかし、同院の医療機材は老朽化や不足が目立ち、十分な医療環境の下で治療が行われているとはいい難い。同地区は、流動人口が多く、また付近には国道110号線と包蘭鉄道が走り交通量が多いことから交通事故も頻発しているが、機材や技術の不足から、患者の回復が遅れることもしばしばである。また、治療困難と判断した重篤患者や妊産婦の上級機関への転送率も約13%と高い。農村医療保険制度の普及に伴い、患者数が30%増加したことに加え、必要とされる医療レベルも高まっている現状においては、住民に提供する治療の範囲を拡大し、より危険要素の少ない条件の下で健康回復に専念できる環境作りを急ぐ必要がある。
上記の状況を改善するため、医療機材の整備は急務である。
(5)裨益効果:
本件の実施により、紅果子鎮及び周辺地域の住民約5万人の医療条件が改善され、身体的・経済的負担が軽減される。
(6)供与限度額:87,746米ドル(2008年10月6日現在:9,915,298円、約60万元相当)
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