「内蒙古自治区通遼市開魯県大楡樹鎮衛生院入院病棟建設計画」等4案件の署名式を開催
(10.03.09)
3月9日、当館における今年度草の根・人間の安全保障無償資金協力案件、「内蒙古自治区通遼市開魯県大楡樹鎮衛生院入院病棟建設計画」、「河北省高碑店市東馬営郷十里鋪村上水道整備計画」「河北省邢台市威県羅安陵村メタンガス貯蔵地建設計画」及び「河北省保定市清苑県陽城鎮曹庄小学校校舎建設計画」の贈与契約署名式が、北京市において執り行われました。
【署名案件Ⅰ】
(1)案件名:内蒙古自治区通遼市開魯県大楡樹鎮衛生院入院病棟建設計画
(2)被供与団体:内蒙古自治区通遼市開魯県人民政府
(3)案件概要:内蒙古自治区通遼市開魯県大楡樹鎮において、衛生院入院病棟を建設する。
(4)案件の社会的背景・ニーズ:
内蒙古自治区中東部に位置する通遼市開魯県は面積4,488k㎡、人口40万1,000人を有する。人々は主にトウモロコシ、豆類、稲などの生産を中心とした農業で生計を立てている。平均年収は都市部で6,962元、農村部で4,008元と低い。
大楡樹鎮衛生院(医師数28人、看護士数4人、ベッド数16床)は、同鎮及びその周辺の住民2.8万人余りに対して医療サービスを行っている。年間診察患者数は2万1,000人、年間手術執刀数は650例。同院には業務用の部屋が15間あり、そのうち7間を病室、8間を事務室として使用している。しかし1958年に建設された入院病棟は、既にD級危険建築物に指定され、取り壊しが必要であり、患者らが安全な環境のもと治療を受けることは容易ではない。また、毎日約50人が入院を必要としている同院において病室数は絶対的に不足しており、患者が多いときには事務室を臨時的に病室として使用する。このような措置をとっているにも関わらず病棟不足による患者の他院への転送率は全体の約60%にのぼり、必然的に患者の医療費負担も増加している。
このような状況を改善するためにも、病棟の改築は急務である。
(5)裨益効果:
本件の実施により、同鎮及びその周辺の住民2万8千人の医療条件が改善される。
(6)供与限度額:91,076米ドル(2009年11月24日現在:9,380,828円、約60万元相当)
【署名案件Ⅱ】
(1)案件名:河北省高碑店市東馬営郷十里鋪村上水道整備計画
(2)被供与団体:河北省高碑店市人民政府
(3)案件概要:河北省高碑店市東馬営郷十里鋪村において、上水道設備(取水井戸、揚水ポンプ、水道管)を整備する。
(4)案件の社会的背景・ニーズ:
河北省高碑店市は人口58万人、面積672k㎡を有する。人々は農業、バッグ加工業、自動車製造業などにより生計を立てている。市内では発展レベルの不均衡が極めて大きな問題として浮上しており、農村部での平均年収は都市部のそれの半分にも満たない。
同市東馬営郷十里鋪村では、地質構造及び周辺の工業生産基地の影響による地下水の汚染が大きな問題となっている。現在村人らは各戸に深さ30-40mほどの井戸を掘り、比較的浅い位置の地下水を飲用及び生活用水として使用しているが、これらの水にはフッ素が多く含まれており、また総硬度等多くの基準が飲用水基準に達していない。水には、あきらかににごりや苦味・渋みがあり、このような水を毎日摂取することによる健康被害も増加している。下痢などの比較的軽い症状はもちろんのこと、心脳血管疾病患者が190名弱、糖尿病患者、結石及び悪性腫瘍等の患者が合計300名弱と他村に比し患者数が突出しており、現在村人の70%は既に浅い地下水からの摂取をやめ、15キロ離れた場所まで水を買いに行き使用している。
このような現状を改善するため、上水道設備の整備は急務である。
(5)裨益効果:
本件の実施により、十里鋪村住民3,101人が安全な飲用水を確保できるようになる。
(6)供与限度額:82,564米ドル(2009年11月24日現在:8,504,092円、約60万元相当)
【署名案件Ⅲ】
(1)案件名:河北省邢台市威県羅安陵村メタンガス貯蔵池建設計画
(2)被供与団体:河北省威県人民政府
(3)案件概要:河北省邢台市威県羅安陵村の農家189戸に対しメタンガス貯蔵池及び付属設備を設置する。
(4)案件の社会的背景・ニーズ:
河北省邢台市威県は、省都・石家庄市から南東へ約150kmの距離に位置する。総面積994平米、人口52万人を有する。農村部の平均年収は1,600元、都市部の平均収入は3,600元である。土地の多くは塩性アルカリ土壌で、綿花栽培を主とし、その他の収入は極めて少なく、一人当たりの収入は省内136県のうち131位であり、省級貧困県に指定されている。主な工業は綿花の一次加工で県内にその他の支柱産業はない。
地域住民は、日々の食事の煮炊きや冬場に暖を取る際、薪や乾燥した茎、石炭などを主な燃料としている。彼らは、これら燃料を確保するため日々多大な労力を費やさねばならないほか、こうした植物燃料等の使用は地域の自然破壊や大気汚染の主な要因となる。
このような現状を改善するため、メタンガス施設の整備は急務である。
(5)裨益効果:
本件の実施により、羅安陵村村民189戸620人の燃料収集にかかる労働負担が軽減されるとともに、メタンガスを代替エネルギーとして利用することで、年間500㎏の石炭が節約され、地域の自然環境保護、農業生産効率の向上、住民の健康増進に寄与する。
(6)供与限度額:96,916米ドル(2009年11月24日現在:9,982,348円、約60万元相当)
【署名案件Ⅳ】
(1)案件名:河北省保定市清苑県陽城鎮曹庄小学校校舎建設計画
(2)被供与団体:河北省保定市清苑県人民政府
(3)案件概要:河北省保定市清苑県陽城鎮曹庄小学校の学習環境改善を目的として、危険建築物指定を受けた平屋建て教室を取り壊し、新たに校舎1棟(2階建て、レンガコンクリート造、建築面積740㎡)を建設する。
(4)案件の社会的背景・ニーズ:
河北省の省都である石家庄市の南に位置する保定市清苑県は人口61万人(うち農業人口52万人)、面積953k㎡を有する。同地には鉱物資源や自然資源がほとんどないため、住民の多くは農業で生計を立てているが、年間降水量が400mmを下回る同地では生産高を上げることは容易ではなく、住民の平均年収は都市住民で4,230元、農村住民で3,350元と伸び悩んでいる。
同県の南西、陽城鎮にある曹庄小学校(生徒数277人、教師数14人)では現在校舎の老朽化、不足が問題となっている。同校に9つある教室のうち3室は危険建築物に指定されており、児童らは危険な状況下での授業を余儀なくされている。また、同校では年々児童数が増加していることに加え、近年中に学前班(幼稚園)を6クラスにまで増加し、1-6年生を2クラス制に変更する計画を立てているが、現有の校舎では対応しきれない。
このような現状を改善するため、新校舎の改築は急務である。
(5)裨益効果:
本件の実施により、身体的な安全と十分な教室面積が確保され、同校児童400名(本件実施後の在校予定者数)がよりよい環境で義務教育を受けることが可能となる。
(6)供与限度額:87,374米ドル(2009年11月24日現在:8,999,522円、約60万元相当)
(7)特記事項:
本件の竣工後、コクヨインターナショナル株式会社より同校に対しノートが寄贈される予定である。
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