河南省洛陽市嵩県庫区郷二中宿舎建設計画の竣工式典を開催
（10.05.20）
５月２０日、草の根・人間の安全保障無償資金協力案件「河南省洛陽市嵩県庫区郷二中宿舎建設計画」の竣工式が現地で行われました。竣工式には、当館より原田書記官、中国側より姚文ニウ（女ヘンに丑）・嵩県副県庁、張建廷・嵩県県委統戦部常務副部長ほかが出席しました。
（１）案 件 名：河南省洛陽市嵩県庫区郷二中宿舎建設計画
（２）被供与団体：河南省嵩県人民政府
（３）案件概要：
洛陽市嵩県庫区郷にある既存の小中一貫校・庫区郷二中の敷地内において、新たに宿舎１棟（３階建て、建築面積１，０３０㎡、学生宿舎×２６、トイレ×６、管理室×１）を建設することにより当校の修学環境改善を図るもの。
（４）案件の社会的背景・ニーズ：
洛陽市は河南省内において貧困県を最も多く抱える市であり、市内には国家級貧困県が５県、省級貧困県が１県存在する。本件プロジェクト実施地である嵩県は５つの国家級貧困県に含まれ、交通部の対口扶貧県であることから、当該部及びその関連機関をはじめ様々な団体により援助案件が実施されている。嵩県人口は約５４万、県内に特筆すべき産業は無く、県民平均年収は７８０元（約１万２千円）と極めて低い。
嵩県庫区郷二中は２００４年８月に創立された小中一貫校であり、現在小学部、中学部合わせて１，００６名の学生が在籍している。中学部生徒５１６名のうち３２８名は自宅が遠く、寄宿が必要とされるが（小学部の児童４９０名は全員寄宿の必要がない）、当校は４階建て教室校舎があるのみで宿舎が無く、宿舎建設の必要性に迫られている。目下のところ、校舎内の教室２部屋（計１３２㎡）に簡易ベッドを持ち込んで仮宿舎とし、１２０名の生徒がひしめき合って寝泊りしているほか、残る２０８名は親戚や知り合いの紹介で付近の農家に間借りするなどしており、体力的・精神的・経済的負担を強いられている。
また、近年、中国農村部では教員の質を確保し、管理体制の改善を図る観点から、比較的小規模の小・中学校を主な対象として統廃合が積極的に進められている。嵩県においてもこの方針に則り、当校小学部を近隣小学校に統合し、周辺の小規模中学校の生徒を当校に通わせる計画であるが、庫区郷二中が宿舎を持たない現体制のままでは、周辺中学校生徒の編入を実現することは困難である。
以上の事情に鑑み、県政府は庫区郷二中敷地内において宿舎１棟を建設することとしたが、当県は国家級貧困県であり、限られた資金力では十分な予算措置をとることが困難なため（県政府２００６年財政支出：１億７千万元、収入：１億２千万元）、日本政府に援助を要請越したものである。
（５）裨益効果：
嵩県庫区郷二中の生徒のうち、寄宿を必要とする生徒約３００余名が、快適な宿舎で生活することが可能になる。
（６）供与限度額：86,048米ドル（2007年9月28日現在：9,981,568円、645,360元相当）
（７）特記事項：
本件の竣工後、コクヨ・インターナショナル株式会社より庫区郷二小学校に対し１，２００冊（児童１人あたり２冊）のノートが寄贈されることになっている。
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