河南省光山県晏河郷付店村小学校校舎建設計画の竣工式典を開催
(10.05.21)
5月21日、草の根・人間の安全保障無償資金協力案件「河南省光山県晏河郷付店村小学校校舎建設計画」の竣工式が現地で行われました。竣工式には、当館より原田書記官、中国側より文宗峰・光山県県長、譚予信・光山県人民政府副県長、孫衛静・光山県人民政府副県長ほかが出席しました。
(1)案 件 名:河南省光山県晏河郷付店村小学校校舎建設計画
(2)被供与団体:河南省光山県人民政府
(3)案件概要:
河南省南東部、信陽市光山県晏河郷に位置する付店村小学校において、校舎老朽化問題を解決し、教育環境を改善すべく、同校敷地内に新校舎1棟(3階建て、1,029.6㎡、普通教室×7、職員室×3、校長室×1、PC教室×1、図書室×1、学習器材室×1)を建設するための資金を供与するもの。
(4)案件の社会的背景・ニーズ:
光山県は河南省南東部、湖北省と安徽省との省境近くにあり、省都・鄭州市から約350kmの距離に位置する。同県の主要産業は農業、工業、観光業が挙げられ、それぞれが県経済の約3分の1を占めている。農業においては稲、小麦、菜の花などを主に栽培しているが、旱魃の年と大雨の年が続くなど気候が不安定であるため、継続して安定した収益を得ることは難しい。また、県内には広大な山地が広がっており農民が十分な耕地面積を確保できない事情もある。工業や観光業も、規模の大きな企業、工場が存在しない、交通などインフラが整備されていない等の要因で未だ発展途上の段階に止まっている。そのため同県民の平均年収は3,150元(約4万9,000円)と低く、同県は国家級貧困県に指定されている。
本件プロジェクト・サイトである付店村小学校は、光山県中心部から約20km離れた農村地域にある。同校は1984年に設立され、現在児童352名が在籍し、教員11名が教鞭を執っている。
同校には平屋校舎5棟が現存し、うち2棟は教室、2棟は教室及び職員室、1棟は教室及び教員宿舎として使用されている。校舎は何れも築20年を数え、老朽化が進んでいるほか、レンガ造りの外壁はコスト抑制のためにレンガの広い面を外側にして積み上げられており、元々耐久性の低い構造となっている。特に教室校舎2棟と、教室及び教員宿舎として使用されている校舎1棟は、随所にひずみや崩れが散見され、倒壊の危険もあることからD級危険建築物に指定されており、児童、教員らは常に身体の危険に晒されている。また、これら危険校舎は、天井の所々に穴が空く等の欠陥も生じており、雨の日には授業を中止せざるを得ないといった問題もある。
上記の事情に鑑み、県政府は同校において新校舎を建設し、同校の教育環境の改善を図ることとしたが、県政府の財政は苦しく、2006年に5億元余り(約77億円)も支出超過するなど慢性的な財政赤字に陥っており、十分な予算措置をとることが困難であるため、日本政府に援助を要請越したものである。
(5)裨益効果:
付店村小学校に通学する児童が、安全で快適な環境で学習することが可能になる(本件実施後は、同校の設備老朽化を理由に一時的に遠方の他校に在籍している児童約100名が戻ってくるため、同校児童数は450余名まで増加するとされている)。
(6)供与限度額:84,415米ドル(2007年10月15日現在:9,792,140円、633,112.5元相当)
(7)特記事項:
本件の竣工後、コクヨ・インターナショナル株式会社より付店村小学校に対し900冊(児童1人あたり2冊)のノートが寄贈されることになっている。
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