「新疆ウイグル自治区ピチャン県母子保健院医療機材整備計画」の機材引渡し式を開催
(10.06.26)
6月26日、新疆ウイグル自治区ピチャン県のプロジェクトサイトにおいて、平成20年度草の根・人間の安全保障無償資金協力案件「新疆ウイグル自治区ピチャン県母子保健院医療機材整備計画」の機材引渡し式が執り行われました。当館より飯田大介書記官及び小松庸人書記官が、中国側より阿里木江・阿不里米提 新疆ウイグル自治区商務庁外経処 副処長ほかが出席しました。
(1)案 件 名:「新疆ウイグル自治区ピチャン県母子保健院医療機材整備計画」
(2)被供与団体:新疆ウイグル自治区対外貿易経済合作庁
(3)案件概要:
少数民族によく見られる結石、高血圧、心臓病、骨粗しょう症、妊娠中毒症、新生児先天障害などの治療に必要な機材の未整備及び医療機材の老朽化が深刻な新疆ウイグル自治区ピチャン県母子保健院において、医療機材4点(全自動生物化学分析器、レントゲン、微量元素分析器、麻酔器)を整備する。
(4)案件の社会的背景・ニーズ:
新疆ウイグル自治区東部のトルファン地区に位置するピチャン県は面積38,315k㎡、人口約21.5万人のうち70%以上をウイグル族や回族など22の少数民族が占める。主要な産業は農業及び林業でブドウや綿花の栽培が盛んであることもあり貧困県の指定は受けていないものの、県民の平均年収は3,053元と伸び悩んでいる。
ピチャン県母子保健院は1987年設立の二級母子保健院で、医師43名、看護士19名、年間の外来患者数はのべ20,192人。同院には臨床部と保健部が設けられており、臨床部には産科、婦人科、小児科があり、入院部も併設されている。保健部は主に全県の母子保健に関する技術指導と宣伝活動を行っているほか、24時間無料の救急車両を準備し産婦を病院に搬送するサービスを行うなど全面的なフォローを行っている。
ピチャン県では、地元の水質や少数民族の食習慣などの影響による結石、高血圧、心臓病、骨粗しょう症、妊娠中毒症、新生児先天障害などの発症率が高く、特に産婦死亡率は117/10万、新生児死亡率は28‰と全国平均(47.7/10万と13.2‰、いずれも2005年)よりも高い。なお、産婦人科患者数は年々上昇傾向にあり、年間の新生児死亡数、幼児死亡数はそれぞれ50人、65人となっている。
同院では、常に新しい医療技術を取り入れる努力をしてきたが、機材の一部は1980年代に購入したもので老朽化が激しく、住民のニーズに合わなくなってきている。
(5)裨益効果:
同院のサービスの質と技術が向上し、同県の農村女性及び児童12万人余りがより等水準の医療サービスを受けることができるようになる。
(6)供与限度額:85,154米ドル(2008年10月20日現在:9,622,402円、約60万元相当)
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