「寧夏回族自治区西吉県興隆鎮小学校校舎建設計画」の竣工式典を開催
(10.12.08)
12月8日、草の根・人間の安全保障無償資金協力案件「寧夏回族自治区西吉県興隆鎮小学校校舎建設計画」の竣工式が現地で行われました。竣工式には、当館より三重野真人書記官、中国側より程陽春・寧夏回族自治区商務庁外経処副処長、海連鵬・寧夏回族自治区西吉県人民政府副県長、張勇・寧夏回族自治区西吉県科学技術協会主席ほかが出席しました。
(1)案件名:寧夏回族自治区西吉県興隆鎮小学校校舎建設計画
(2)被供与団体:寧夏回族自治区西吉県人民政府
(3)案件概要:寧夏回族自治区西吉県において、小学校の校舎を建設するための資金を供与する。
(4)案件の社会的背景・ニーズ:
寧夏回族自治区南部山間地域に位置する西吉県は、人口47万9千人、面積3,144㎡を有する。同県は人口の54%を回族が占める少数民族居住地域である。馬鈴薯の生産が盛んな地であり、総人口の92%を占める農業従事者は馬鈴薯の生産や澱粉の加工を主な収入源としている。しかしながら、当地は降水量が少なく極端に乾燥した気候であり、また自然災害が頻発することから、貧困からの脱却が難しく、県総人口の約10%が未だに貧困ライン以下の生活を送っている。平均収入は2,215元と低く、1983年より国家級貧困県の指定を受けている。
同県興隆鎮小学校(在籍児童数520名、教師数11名、12クラス)は、1956年創立の鎮中心小学校であり、児童の96%が回族子弟により構成されている。70年代に建てられた同校校舎は全てがD級危険建築物に指定されており、全体の約80%が既に倒壊している。同校では正常に授業を行うことが出来ないため、2006年より児童らは付近の4つの小学校に分散して授業を受けている。それぞれ希望小学校(3、4年生185人)、王河小学校(1、2年生98人)、単民小学校(1、2年生101人)、回民小学校(5年生76人)であり、児童らは狭隘な教室内で授業を受けることを余儀なくされている。また6年生(60人)は、全鎮の6年生が興隆中学校で授業を受けることとなったため、現在同中学校で授業を受けている。
地元政府は、このような現状を改善すべく、現有校舎を取り壊し、同校敷地内に新たに2階建て教学楼1棟及び付属建造物を建設し、同校の教学条件の全面的な改善を計画している。しかしながら、同県の財政状況は厳しく、緊急を要する教師宿舎については資金を工面できたものの、新校舎の建設資金確保は困難であるため、現在に至るまで根本的な解決はなされていない。このような現状を改善するため、新校舎の改築は急務である。
(5)裨益効果:
本件の実施により、身体的な安全と十分な教室面積が確保され、同校児童492名(実施後の推定在籍児童数)がよりよい環境で義務教育を受けることが可能となる。
(6)供与限度額:88,273米ドル
(7)特記事項:
本件の竣工後、コクヨインターナショナル株式会社より同校に対しノートが寄贈される予定である。
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