「陝西省寧強県寛川郷九年制学校学生宿舎改修計画」の竣工式を開催
(11.06.03)
6月3日、陝西省寧強県のプロジェクトサイトにおいて、平成20年度草の根・人間の安全保障無償資金協力案件「陝西省寧強県寛川郷九年制学校学生宿舎改修計画」の竣工式が執り行われました。当館より原田書記官が、中国側より劉先蓮・陝西省人民対外友好協会専職副会長ほかが出席しました。
(1)案 件 名:陝西省寧強県寛川郷九年制学校学生宿舎改修計画
(2)被供与団体:陝西省人民政府外事弁公室
(3)案件概要:
陝西省南西部寧強県寛川郷の九年制学校において、地震の被害を受けC級危険建物に指定された学生宿舎3棟(レンガコンクリート構造、平屋、合計建築面積688㎡)の補強改修工事を行う。
(4)案件の社会的背景・ニーズ:
陝西省南西部に位置する漢中市寧強県は面積3,246.8k㎡。険しい山岳地帯に位置し、森林が87%を占める。人口約34万人のうち30.5万人が農業に従事している農業県で、工業が発展していないこと、地理的要因から農産物の流通なども活発ではないことなどから、県民の平均年収は都市部で6,321元、農村部では1,519元と伸び悩んでおり、国家級貧困県に指定されている。
寧強県は四川大地震の被災地である。被災状況は、被災者24万人、死者11人、負傷者1074人。倒壊した家屋は、都市部で155戸、農村部で4,234戸、居住できない建物は計19,958戸におよび、建て替えが必要な建物は22,739戸(うち21,913戸は農村部)ある。
寛川郷の九年制学校は、1938年設立。幼稚部、小、中、合わせて10学年14クラスの計473名が学ぶ。うち要寄宿生は281名。教員38名。同校は、四川大地震及びその余震で被害を受けた。校舎と特別教室(レンガコンクリート構造、合計建築面積550㎡)は基礎が陥没し壁にヒビが入ったため改修工事が必要であり、また、学生食堂(レンガコンクリート構造、建築面積220㎡)は屋根が落ち壁にヒビが入ったためD級危険建築物に指定され、すでに取り壊された。このほか、宿舎4棟(レンガコンクリート構造、平屋、合計建築面積912㎡)がC級危険建築物に指定された。その後、親戚の家や、学校が近くに借りた民家などに分散して寄宿する措置をとったが、10月現在も100人ほどがC級危険建築物に指定されている宿舎を使用し続けていた。
以上の状況を改善するため、同校のC級危険建築物に補強改修工事を施し、全面的に使用可能な状態にした。
(5)裨益効果:
同校の寄宿児童・生徒281名が、安全な宿舎で生活することができるようになる。
(6)供与限度額:88,174米ドル(2008年10月4日現在:9,963,662円、約60万元相当)
(7)特記事項:
本件の竣工後、コクヨインターナショナル株式会社より同小学校に対し1,000冊(児童1名当たり約2冊)のノートが寄贈された。 |