「湖北省孝昌県連携農業改善計画」、「遼寧省阜新蒙古族自治県連携乳幼児保健計画」の贈与契約署名式を開催
(12.03.20)
3月20日、北京市共済国際酒店において、平成23年度草の根・人間の安全保障無償資金協力案件「湖北省孝昌県連携農業改善計画」及び「遼寧省阜新蒙古族自治県連携乳幼児保健計画」の贈与契約署名式が執り行われました。当館より甲木参事官他が、中国側より欧青平・国務院扶貧弁公室外資プロジェクト管理センター主任、陳興・湖北省孝昌県人民政府副県長、韓家清・遼寧省阜新市扶貧開発弁公室主任他が出席しました。
【署名案件Ⅰ】
(1)案 件 名:湖北省孝昌県連携農業改善計画
(2)被供与団体:湖北省孝昌県人民政府
(3)案件概要:
孝昌県仰山村の農業生産量を確保するため、耕地120ムー(8ヘクタール)の区画整理、荒地83ムー(約5.53ヘクタール)の開墾及び灌漑整備(井戸2基)を整備する。
(4)案件の社会的背景・ニーズ:
孝昌県は、湖北省省都武漢より北西70kmに位置し、人口66万人、県政府の財政収入は14.5億元、支出が14.5億元で、住民の平均年間収入は15,526元(約2,438米ドル)と低く、国家級貧困県(国務院扶貧開発指導会議弁公室が、全国的に見て貧しい地区を支えるため認定。現在592個の県等(県級行政組織も含む)が認定され、西部地区を中心に、少数民族地区や辺境地区、更に革命によって解放された地区等に集中)に指定されている。
同県の面積1,217k㎡のうち38.56%が耕地で、1人当たりの耕地面積は1.14ムー(0.076ヘクタール)と全国平均より下回る。
同県仰山村(人口:1,835人)は黄褐色土等と変質石灰岩が多い土壌で、耕地は、ひとつひとつの面積が小さくて傾斜が多いため、土壌の保水性が低い。このため、慢性的に農業生産量が低く、農民の平均年収はわずか3,709元(約582米ドル)と他地域に比べて立ち遅れており、同地の農業発展にとって、大変重要な課題となっている。
そこで、県政府は、同村の農地120ムー(8ヘクタール)の区画整理、荒地83ムー(約5.53ヘクタール)の開墾、灌漑整備(井戸2基)を計画したが、同県の財政状態は上級政府などにより財政上の資金移転がおこなわれているものの、同県政府独自では当該整備費用を捻出することは困難であるため、日本政府へ支援を要請越したものである。
本計画の実施により、同村が抱える農業問題の改善が図られる。
(5)裨益効果:
本件の実施により、同村の農民132人に裨益し、同プロジェクトが村内に普及することにより、地域全体の農業問題の改善が図られる。
(6)供与限度額:102,465米ドル
【署名案件Ⅱ】
(1)案 件 名:遼寧省阜新蒙古族自治県連携乳幼児保健計画
(2)被供与団体:遼寧省阜新市扶貧開発弁公室
(3)案件概要:
遼寧省北西部の阜新蒙古族自治県八家子郷鎮中心幼稚園において、校舎1棟(レンガコンクリート構造、3階建て、建築面積1998.47㎡)を建設する。
(4)案件の社会的背景・ニーズ:
遼寧省の北西部に位置する阜新蒙古族自治県は、人口73万人(うち少数民族割合約20%)、面積6246.2k㎡を有する丘陵地帯である。主要な産業は農業で、トウモロコシ、高粱、粟、大豆などの生産をしているほか、酪農業などで人々は生計をたてている。農村部の年間平均収入は6690元(80,703円)と低く、省級貧困県に指定されている。
阜新蒙古族自治県八家郷中心幼稚園は、現在、3歳から6歳までの児童195名(3学年、5クラス)、教師19名(※2011年9月現在)を有している。
同幼稚園が使用している校舎(レンガコンクリート構造、平屋建て、建築面積450㎡)は、収容人数が本来なら155人である教室5室に現在195人を収容し、狭い空間で授業をせざるを得ない状況になっている。また、昼寝室は1室しかなく、教室の後ろにベッドを置いて代用している。厨房も狭小で、活動室、保健室はない。
こうした現状を改善するためには新校舎の建設が不可欠であるが、同市の財政は大部分が上級団体からの資金移転により行われているものの、新校舎建設資金全額を捻出することが困難であるため、日本政府へ支援を要請越したものである。
(5)裨益効果:
本件の実施により、児童200名、教職員24名(プロジェクト実施後)が快適な学習生活環境の下で授業を行うことができるようになる。
(6)供与限度額:109,371米ドル
(7)特記事項:
本件の竣工後、コクヨインターナショナル株式会社より同幼稚園に対し400冊(児童1名当たり約2冊)のノートが寄贈される予定である。
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