「湖北省鶴峰県少数民族医療環境改善計画」の贈与契約署名式を開催
(12.03.22)
3月22日、湖北省武漢市において、平成23年度草の根・人間の安全保障無償資金協力案件「湖北省鶴峰県少数民族医療環境改善計画」の贈与契約署名式が執り行われました。当館より飯田参事官が、中国側より卲元洲・湖北省人民対外友好協会会長、蘇勇・湖北省鶴峰県人民政府県長他が出席しました。
(1)案 件 名:湖北省鶴峰県少数民族医療環境改善計画
(2)被供与団体:湖北省鶴峰県人民政府
(3)案件概要:
湖北省西南部の鶴峰県鉄炉白族郷病院において、入院病棟1棟(鉄筋コンクリート構造、2階建て、建築面積830㎡)を建設する。
(4)案件の社会的背景・ニーズ:
湖北省西南部に位置する鶴峰県は、面積2,872k㎡、人口22.15万人で、そのうち約70%の15.9万人が少数民族で構成されている。県民の平均年収は、都市部が8,206元(約1,288米ドル)、農村部が2,333元(約366米ドル)と低く、国家級貧困県(国務院扶貧開発指導会議弁公室が、全国的に見て貧しい地区を支えるため認定。現在592の県等(県級行政組織も含む)が認定され、西部地区が中心(少数民族地区や辺境地区、更に革命によって解放された地区等に集中))に指定されている。
鶴峰県鉄炉白族郷病院は1958年設立の公立郷鎮病院であり、医師16名、看護師7名、その他職員6名の計29名が勤務し、入院ベッド数は18床、年間来院患者数は延べ約3.4万人である。同病院には内科、外科、産婦人科、検査科、中国医学科が設置されている。
同病院の現有建物は外来病棟と入院病棟各1棟である。外来病棟及び入院病棟は1997年に完成し、使用しているものの、老朽化が進み、床板の沈下や、天井から雨漏りがしており、2009年4月に危険建築物に指定され、早急に補強工事を実施しなければならない状況にある。また、病室8室にベッドが18床しか設置できないため、臨時的に廊下にベッド12床を設置しており、本来、当該病院が果たすべき機能(同県規定では、人口1.5万人の地域の病院の設置病床数は30床)が適切に果たせていない状況にある。
こうした状況を改善するためには、現有の外来病棟及び入院病棟の改築と新たな入院病棟の建設が必要不可欠であるが、同県の財政状態は上級政府などにより財政上の資金移転がおこなわれているが、同県政府独自では当該整備のために新入院病棟建設に資金を捻出することが困難であるため、日本政府へ支援を要請越したものである。
(5)裨益効果:
本件の実施により、鉄炉白族郷の住民1.5万人及び周辺地区の住民約5万人が安全性の高い医療サービスを享受できるようになる。
(6)供与限度額:111,654米ドル
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