3月12日、北京市において、平成24年度草の根・人間の安全保障無償資金協力案件「内蒙古自治区鄂温克族自治旗遊牧民医療環境改善計画」の贈与契約署名式が執り行われました。当館より柴田書記官、垣内書記官他が、中国側より範洪章・内蒙古自治区鄂温克族自治旗衛生局局長他が出席しました。
【署名案件】
(1)案 件 名:内蒙古自治区鄂温克族自治旗遊牧民医療環境改善計画
(2)被供与団体:内蒙古自治区鄂温克族自治旗衛生局
(3)案件概要:
内蒙古自治区鄂温克族自治旗に所在する医療施設である内蒙古自治区鄂温克族自治旗人民病院の医療環境を改善するために、ジープ型救急車1台を整備する。
(4)案件の社会的背景・ニーズ
内蒙古自治区鄂温克族自治旗人民病院が所在する鄂温克族自治旗は、内蒙古自治区東北部に位置し、人口約14.4万人(うち少数民族割合約38%)、面積19,111k㎡の地方自治体である。主要な産業は農業で、住民は、羊、牛の牧畜等で生計をたてており、年間平均収入は7,883元(約1,271ドル)である。
内蒙古自治区鄂温克族自治旗人民病院は、地域医療の核となる医療機関として、1958年に設立された。同院は、内科、外科、婦人科、小児科、急診科、耳鼻科、リハビリ科、中国医学科、モンゴル医学科等を扱う総合病院であり、年間来院患者数は述べ約8.8万人、その内急診は約2,500人である。
現在、同院は、購入後約5年が経過(19万㌔以上を走行)した通常仕様の救急車を1台所有しているところ、放牧地(遊牧民居住区1.6万人)の道路状態は、険しい地形のため通常の乗用車では通年走行できない場所があるほか、冬の豪雪や夏の豪雨により走行環境が極めて劣悪となる場所もあり、幹線道路以外の道路は通常仕様の救急車では走行ができない状況にある。このため、幹線道路から外れる地域では、患者搬送のために馬車等による移動を強いられており、時には100kmもの距離を馬車で搬送することもあり、幹線道路を外れた場所に住む者が救急患者となった場合、これを適切な環境で搬送することが出来ず、死亡に至る場合もある。
そのため、地元衛生局は、このような現状を改善し、住民らのニーズに応えるために、上記救急車の整備に係る支援を日本政府に要請越したものである。
(5)裨益効果:
本件実施により、同院が管轄する鄂温克族自治旗の住民(遊牧民)約1.6万人の医療サービス環境が改善される。
(6)供与限度額:99,686米ドル |