9月26日、当館における平成22年度草の根・人間の安全保障無償資金協力案件、「河南省開封県朱仙鎮河東村衛生院感染症病棟建設計画」他2件(計3件)の竣工式が、河南省において執り行われました。竣工式には、当館より高奥邦英書記官ほか、中国側より張志剛・開封市人民政府外事僑務弁公室副主任、馬俊海・開封県人民政府常務副県長ほかが出席しました。
また、開封県朱仙鎮河東村中心幼稚園と朱仙鎮中心小学校で交流活動を行いました。現在、同幼稚園、同学校において日本政府草の根・校舎建設プロジェクトが実施されています。
【案件詳細(計3件)】
(1)案件名:
「河南省開封県朱仙鎮河東村衛生院感染症病棟建設計画」
「河南省開封県朱仙鎮河東村上水道建設計画」
「河南省開封県朱仙鎮河東村排水溝整備計画」
(2)被供与団体:河南省開封県人民政府
(3)案件概要:河南省開封県において、衛生院の建設及び上水道、排水溝の整備を行う。
(4)案件の社会的背景:河南省北東部に位置する開封県は省都・鄭州から約100キロに位置し、面積1449.9k㎡、人口78万人、内少数民族人口11.9万人。主要な産業は農業で、小麦、米、とうもろこし、綿、落花生、スイカ、野菜など。県内では発展レベルの不均衡が浮上しており、農村部での平均年収は都市部のそれの半分程度であり、農村部の平均年収は4534元である。
河南省開封県朱仙鎮河東村衛生院感染症病棟建設計画:同衛生院は、1958年に設立され、現在、医師50名、看護師22名を有する1級甲レベルの衛生院である(病院及び衛生院は1級(甲、乙)、2級(甲、乙)、3級(甲、乙)に分かれており、3級甲が最高)。当院は、郷住民4.1万人と周辺郷鎮の住民6.6万人に医療サービスを提供しており、年間診察患者数は7.2万人に上る。1995年に建設された同院の感染症病棟は80㎡と極端に狭く、感染症が発生した場合、他の患者と同じ経路になるほか、隔離するスペースも確保できていなかった。近年SARSや手足口病、新型インフルエンザなど感染病の流行が多発し、予防接種など感染症予防に対するニーズも増えていたが、現有の病棟は80㎡しかなく、予防、診察、治療ともに十分な環境を整えられない他、院内での感染拡大の危険性についても否めない状態であった。
河南省開封県朱仙鎮河東村上水道建設計画:プロジェクトサイトである朱仙鎮河東村では、各家庭及び学校がそれぞれ浅井戸を堀り、その地下水を飲用水として利用しているが、6月から7月は渇水期で水を得ることが困難になっていた。また比較的浅い位置の地下水にはフッ素などの含有量が基準値を超え、長期に渡り飲用することにより健康被害も増加していた。
河南省開封県朱仙鎮河東村排水溝整備計画:プロジェクトサイトである朱仙鎮河東村では、7月下旬から10月にかけて降水量が多くなるが、排水溝が整備されていなかったことから、水はけが悪く、最も降水量が多い時期には町が冠水し、小学校、幼稚園は休校・休園せざるを得ないなど安全面に問題が存在していた。
(5)裨益効果:医療環境の改善によって住民約41,000名が、質の高い医療サービスを享受することができた他、上水道、排水溝の整備により、住民約2,500名が安全な飲用水を得ることが出来、快適な生活を営むことができるようになった。
(6)供与額:311,366ドル(約2,059,582元相当)
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