3月11日、新疆ウイグル自治区において、平成25年度草の根・人間の安全保障無償資金協力案件「新疆ウイグル自治区視覚障害者教育改善計画」の贈与契約署名式が執り行われました。当館より有田純・在中国日本国大使館一等書記官、西川昌登・在中国日本国大使館一等書記官が、中国側より呉夢龍・新疆ウイグル自治区盲人協会秘書長、周俊林・新疆ウイグル自治区障害者連合会理事長ほかが出席しました。
【署名案件】
1.案 件 名:新疆ウイグル自治区視覚障害者教育改善計画
2.被供与団体:新疆ウイグル自治区盲人協会
3.供与限度額:102,289米ドル
4.案件概要:新疆ウイグル自治区(ウルムチ市、カシュガル地区、イリ州、バインゴリン州を含む5地区)における盲人および低視力者に就学および就業可能な環境を整えるために、デジタル録音図書読書機を計500台整備する。
5.裨益効果:
本件実施により、新疆ウイグル自治区(ウルムチ市、カシュガル地区、イリ州、バインゴリン州を含む5地区)における約3,000名の盲人および低視力者の就学および就業環境を整えることができる。
6.案件の社会的背景・ニーズ:
●本件被供与団体である新疆ウイグル自治区盲人協会は視覚障害者に対し、音声による情報の提供や研修を行い、視覚障害者の権利保護および自立を目指すべく設立された非政府・非営利団体である。新疆ウイグル自治区障害者連合会が同協会を支援し、同協会が中心となり、ウルムチ市、カシュガル地区、イリ州、バインゴリン州を含む5地区の盲人協会を運営している。
●中国国内で登録されている盲人人口は約1,350万人、うちウイグル地区で登録されている盲人人口は約13万5千人にも及ぶ。現在、ウルムチ市の盲人協会では中国製デジタル録音図書読書機を保有しているが、品質レベルが低いため、故障率が高く、保有機械のうち、三分の一以上の機械が修理対応で使用できない状況にある。ウルムチ市以外の4地区ではまだデジタル録音図書読書機を保有しておらず、視覚障害者への支援はないに等しい状況である。
●本案件にて購入予定の日本製デジタル録音図書読書機は、録音も可能なため、学習用としてのみならず、コミュニケーションツールとしても使用することができ、盲人の就学、就職、日常生活などさまざまな面で活用できることになる。
●上記のニーズを踏まえ、DAISY規格のデジタル録音図書読書機の購入を必要としているが、同協会の収入源は、新疆ウイグル自治区障害者連合会からの支援金のみであり、独自に十分な予算措置をとることが困難であるため、草の根無償資金協力による支援の要請に至った。 |