3月16日、新疆ウイグル自治区において、平成26年度草の根・人間の安全保障無償資金協力案件「新疆ウイグル自治区重複障害者等生活環境改善計画」の贈与契約署名式が執り行われました。当館より南慎二・参事官、西川昌登・一等書記官が、中国側より周俊林・新疆ウイグル自治区障害者連合会理事長ほかが出席しました。
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【署名案件】
(1)案 件 名:新疆ウイグル自治区重複障害者等生活環境改善計画
(2)被供与団体:新疆ウイグル自治区盲人協会
(3)供与限度額:98,505米ドル
(4)案件概要:新疆ウイグル自治区(昌吉回族自治区及びホータン地区)における視覚障害者及び重複障害者に自立可能な環境を整えるために、生活補助器具を供与する。
(5)裨益効果:本件実施により、新疆ウイグル自治区の昌吉回族自治区の視覚障害者及び上肢・下肢障害者計約18,430人(なお、昌吉市障害者リハビリセンター利用者約8,000人/年、新疆障害者職業学校昌吉新校区の定員1,000人)並びにホータン地区の視覚障害者約1,560人(うち、弱視1,200人、盲人360人。なお、策勒県障害者リハビリセンター利用者約20~50名/1日)の生活環境を整えることができる。
(6)案件の社会的背景・ニーズ:
① 本件被供与団体である新疆ウイグル自治区盲人協会は、視覚障害者の権利保護及び自立を目指すべく設立された非政府・非営利団体である。新疆ウイグル自治区障害者連合会の支援の下、新疆ウイグル自治区にて活動している。
② 新疆ウイグル自治区で登録されている障害者数は106.9万人であり、うち、上肢・下肢障害者数は35.6万人、知的障害者数は7.9万人、精神障害者数は6.9万人、盲人等の視覚障害者数は13.5万人、聾唖等の聴覚障害者数は20.1万人で、その他の22.9万人は重複障害者であるが、同地区、特に少数民族地域では障害者のための環境整備が遅れているため、生活は他人に頼らざるを得ず、障害者の自立には程遠い状況にある。
③ 障害者の自立を目指し、関係各所からの支援により、同自治区には昌吉市リハビリセンター、ホータン地区策勒県リハビリセンター、昌吉校区障害者職業専門学校等の各種施設が整備されつつあるものの、リハビリに必要な各種生活補助器具の普及が遅れている。
④ 平成25年度には我が国の草の根・人間の安全保障無償資金協力プロジェクトにて本件被供与団体に対し録音図書再生機を整備しているが、それと合わせて今回、本プロジェクトにて重複障害者用生活補助器具及び視覚障害者用歩行点字タイルを供与することで、同自治区における障害者の更なる生活環境の改善に資する。
⑤ 本件被供与団体は、上記のニーズを踏まえ、各種生活補助器具の購入を目指しているが、その原資は新疆ウイグル自治区障害者連合会からの支援金のみであり、独自に十分な予算措置を執ることが困難であるため、日本政府に援助を要請したものである。
(7)特記事項:本件の引渡後、中国で活動する日系の製薬企業で運営される北京医薬品部会より被供与団体に対し救急セットが寄贈される予定である。 |