中央ラジオテレビ総局(CMG)による安倍総理大臣インタビュー(2019年10月2日)

 
(出典:中央ラジオテレビ総局(CMG))(動画再生はこちら

10月2日、安倍総理大臣は中国中央ラジオテレビ総局(CMG)によるインタビューに応じ、中華人民共和国建国70周年に際してお祝いを述べるとともに、今後の日中関係に対する考え方について紹介しました。インタビューの模様は、翌3日の中国中央テレビ局(CCTV)のニュース番組等で報じられました。安倍総理大臣と記者とのやり取りは以下のとおりです。

ーー中華人民共和国の成立70周年に対し、どのような感想をお持ちでしょうか?

中国が建国70周年を迎えられましたこと、日本国民を代表してお祝い申し上げたいと思います。その70年の歴史には様々な困難があったと思います。そうした困難も中国の国民の皆様が乗り越えられて、そして素晴らしい国を今日まで築いてこられたことに敬意を表したいと思います。

ーー中日両首脳が合意に達した「“新時代にふさわしい両国関係”の構築」という共通認識について、その実現に向けて何が大事だとお考えでしょうか?

1972年に日中国交正常化を行い、新たな日中関係がスタートしました。そしてその中で、(中国では)1978年から改革開放政策がスタートし、今日、まさに世界第2位の経済大国となったわけです。

私が中国を訪問したのは中曽根内閣時代で、私の父が外務大臣を務めており、私はその秘書官を務めていました。中曽根総理と共に、また父と共に、1984年に北京を訪問したわけですが、その時は本当に多くの人たちが私たち一行を迎えてくれ、車列が走る道は、どこも歓迎の人々で一杯でした。本当に熱烈に歓迎をして頂きました。日本と中国の関係、これは本当に将来、最も重要な関係になっていくなと、そんな予感がしました。その時の景色と、その後私が総理になって訪問した時の景色は一変していて、まさに中国の国民の皆さんの努力で、大変な成長を遂げられたなと、改めてそう思っています。

1972年に国交を正常化して以来、中国と日本は本当に切っても切れない関係にあります。日本を訪れた中国人は年間838万人で、日中間の人的交流は1100万人規模になっています。また、日中間の留学生の数は12万人と増加中です。このような人と人との交流は、お互いの理解が深まることにつながり、そしてお互いの国の良さ、或いはその国の特色等に対する、両国の国民の理解を進めることで、国と国との関係を強靭なものにしています。

そして、中国は日本の最大の貿易相手国でもあり、日本企業の拠点数は3万を超え、経済関係においても今、両国経済は緊密なものになっていると同時に、お互いがお互いを必要とする関係になっています。人と人との交流と、経済面でのウィンウィンの関係を更に発展させていきたいと思います。

日本は今年6月に大阪でG20を開催しました。そこへ習近平主席にお越し頂き、G20を成功に導くための大変な協力もして頂きました。首脳宣言を出す上でもご協力を頂き、世界に向けて私たちが進むべき姿を示すことができたと思っております。例えば、デジタルデータの流通についての新しいルールを決める「大阪トラック」の会合にも習近平主席には出席して頂きました。私の隣に座って、トランプ大統領と3人が並ぶという形になり、新しい時代の新しい世界のルールを一緒に作っていくという姿を見せることができたと思います。

G20では習近平主席と会談を行い、「日中新時代を作っていこう」ということをお互いに確認しあいました。今後、地域と世界の平和と安定そして繁栄に対して、私も習近平主席も、日本も中国も、責任を持つ国、立場にあるわけです。ですから例えば、第三国に対する支援も国際スタンダードにあった形でお互いに協力をして支援をしていく、そういう新時代にふさわしい様々な協力のあり方を求めていきたいと思います。

ーー来年春に、習近平国家主席の訪日が予定されています。日本国総理大臣として、習主席の公式訪問をどう受け止めておられますか?

昨年5月に、李克強総理が中国の国務院総理として8年ぶりに日本を訪問し、そして10月には私が日本の総理として7年ぶりに中国を訪問させて頂きました。先ほど申し上げましたように、今年はG20の際に習近平主席に日本を訪問していただきました。そして、来年の桜が咲く頃に、いよいよ習近平主席に国賓として日本をご訪問頂くことになります。まさに日中関係が新しい時代を迎えたわけです。日本国民みんなが習主席の訪日を心待ちにしています。

中国が建国70周年を迎えた今年、日本は平成から令和に時代が移りました。令和時代の新たな日中関係のスタートを告げる国賓訪問となることを期待しております。

ーー最後に、両国の今後の交流について

日中間の協力が様々な分野で始まっています。インタビューの最初にラグビーワールドカップの開催とその成功について祝意を表明して頂き(※1)、その中で日本が連勝していることにお祝いをいただきましたが、改めて、女子バレーにおいて中国が優勝されましたこと(※2)にお祝い申し上げたいと思います。

来年は東京オリンピックとパラリンピックが開催され、そこでも中国が活躍されると思いますが、2022年には中国でも冬季オリンピックが開催されるわけです。アジアでこうした大きなスポーツイベントが連続して開催されていく中で、スポーツの分野においても、日中で協力しながらそれぞれ成功させていきたいと思います。政治と外交だけでなく、人と人との交流、そして様々な分野で日中関係をより強固なものにしていきたいと願っています。

注:
 (※1) インタビュー前の挨拶で、記者が開催中のラグビーワールドカップ2019日本大会について触れた。日本代表は9月28日に強豪アイルランドを相手に歴史的な勝利を果たした。
 (※2) 9月28日に大阪市で最終戦を終えたワールドカップバレー2019女子大会のこと。中国代表は11戦全勝で優勝を決めた。