「第15回東京-北京フォーラム」開幕式における横井大使挨拶(2019年10月26日)


尊敬する
王毅 国務委員兼外交部長、
徐麟 中国共産党中央宣伝部副部長・国務院新聞弁公室主任、
趙啓正 中国人民大学新聞学院院長・元国務院新聞弁公室主任、
杜占元 中国国際出版集団総裁、
福田康夫 元内閣総理大臣、
明石康 国立京都国際会館理事長・元国連事務次長、
御列席の皆様。

「第15回東京-北京フォーラム」の開催に当たり、在中国日本国大使館を代表して、一言御挨拶申し上げます。

最初に、本日のフォーラム開催に至る日中双方の関係者の皆様方の御尽力に対し、心からの敬意を表します。また、今回、中国側からこれまでで最も高いレベルの来賓として、王毅国務委員兼外交部長にお越しいただいたことに対し、篤く御礼申し上げます。
 
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2005年という日中関係が大変困難な時期に本フォーラムが発足して以来、早くも15年が経過しました。日中間には政府主導のものを含め様々な対話の枠組みがございますが、日中関係の将来について真剣に考える人々が自発的に立ち上げ、厳しい時期にあってもこれまで一度も中断することなく続けられてきた本フォーラムは、特にユニークかつ価値のある取組です。

これまでに開催されたフォーラムでは、その時々の日中関係を踏まえて設定されたテーマに基づく真摯な議論によって、時として途絶えがちだった政府間の対話の糸口をつなぐ役割を果たされるとともに、あるべき日中関係の姿について、大変貴重な提言を頂いてまいりました。

また、本フォーラムの主催者である言論NPOと中国国際出版集団による日中共同世論調査は、日中両国国民のお互いへの見方の推移を知る上で、最も信頼性の高い情報を提供してくれています。昨年、中国人の日本に対する印象を「良い」とする人の割合が初めて40%を超えたことが話題となりましたが、本年の調査結果でも、こうした傾向が一層進んだことが明らかになっています。一方で、日本人の中国に対する印象は「良くない」が依然8割を超えています。これからの2日間、この調査結果についても突っ込んだ分析が行われるものと思います。
 
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皆様御案内のとおり、日中関係は、首脳の相互訪問を通じて完全に正常な軌道に戻り、更に新たな発展を得つつあります。本年6月に大阪で行われたG20サミットの際の安倍総理と習近平国家主席との首脳会談では、両首脳は共に「日中新時代」を切り拓いていくとの決意を共有しました。今週初め日本で行われた天皇陛下の「御即位の礼」には、王岐山国家副主席が、習近平主席の特使として参加されるなど、その後も、日中間では閣僚クラスを始めハイレベルでの往来が続いています。明年春には習近平主席の国賓としての訪日が予定されており、現在、両国政府間では、政治、経済、文化、人的交流等様々な分野で、日中関係に更なる活力を与えるための検討や議論が行われています。

ここでいう「日中新時代」とは、単に二国間の関係にとどまるものではありません。もちろん、日中間には依然多くの懸案があり、それらを適切に処理していく努力は極めて重要だと思います。しかし、日中両国は、今や共にアジアや世界の平和と繁栄に大きな「責任」を有する国です。両国がそうした認識を共有し、共に手を携え、地域・国際社会の課題に肩を並べて貢献することが必要であり、これこそが、「日中新時代」における日中関係のあるべき姿ではないかと、私は考えています。環境問題しかり、自由で公正な貿易体制の発展しかりであります。
 
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このように重要で、しかしながら簡単に答えの出ない問題を議論する上で、本フォーラムほどふさわしい場はございません。なぜなら、本フォーラムはその発足当初から、日中間の問題だけでなくアジア全体の将来についても議論することを目指しております。また、長年この場での議論に参加されている両国の関係者や専門家の方々の間には、何事も本音で、かつ本気で議論できる強い信頼関係があるからです。

今年の全体テーマは、「世界の繁栄とアジアの平和で日中が背負うべき責任」であると伺っています。日中の「責任」に直接触れるものとなっており、誠に時宜を得たテーマであると言えます。国際社会が歴史的な局面を迎え、様々な挑戦に直面する中で、日中両国が二国間の懸案を適切に処理しながら、いかに自分たちの「責任」の内実を規定し、それを実行に移していくか、それにより国際社会の期待にどう応えていくか。こうした問題について、2日間のフォーラムにおいて、有意義な議論が行われることを期待しています。
 
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皆様、日本は本年「令和」という新しい時代を迎え、今週、天皇陛下の「御即位の礼」がつつがなく行われました。また、ここ中国では、今月、建国70周年を祝う式典が盛大に行われたところであります。このように、日中両国は、それぞれ新たな時代のスタート地点に立っています。本フォーラムが、そうした新たな時代にふさわしい若い力の参入を得て、議論と活動とを不断に活性化させ、「日中新時代」の構築のために新たな知的貢献を成されることを強く願っております。これから2日間のフォーラムが実り多き成果を収め、全ての参加者にとって有益な会合となることを祈念いたします。
 
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ここで、茂木外務大臣より本フォーラムの開催に当たっての祝辞が届いておりますので、最後に御紹介させていただきます。
 
御列席の皆様、

この度、第15回「東京-北京フォーラム」が盛大に開催されますことを心よりお慶び申し上げます。

「東京-北京フォーラム」は2005年に開始されて以来、一度も途切れることなく毎年継続して開催されたと承知しています。言論NPO並びに中国国際出版集団はじめ、関係者の御尽力に深い敬意を表します。

日中両国は、アジアそして世界の平和と繁栄に欠くことのできない大きな責任を共有しています。地球規模の課題への対応に両国が肩を並べて共に貢献し、その責任をしっかり果たしていくことは、国際社会の期待に応えることでもあります。

来春の習近平国家主席の国賓訪日を見据え、引き続きハイレベルの往来を積み重ね、懸案を適切に処理しながら、あらゆる分野で交流・協力を一層発展させ、日中関係を新たな段階に押し上げ、「日中新時代」を切り拓いていきたいと思います。

フォーラムの御成功と皆様の益々の御発展を心より祈念いたします。
 

2019年10月26日
日本国外務大臣
茂木敏充


以上です。御静聴ありがとうございました。