【対中ODA40周年】対中ODA及び日中経済協力に関する功労者に対する在外公館長表彰・レセプションの開催(2019年12月11日)

令和元年12月16日
12月11日,大使公邸にて対中ODA及び日中経済協力における功労者20名に対する在外公館長表彰を実施し,引き続き対中ODA40周年記念レセプションを行いました。

表彰授与式において横井裕大使から,1979年に始まった日本の対中ODAが,中国の改革開放に貢献するとともに,日本にも裨益する形で行われてきたことを,自身の対中ODAとの関係を交えながら紹介しました。また,当時円借款を管轄した対外貿易経済合作部借款局、無償資金協力を管轄した対外貿易経済合作部国際経済貿易司、そして技術協力を管轄した科学技術部の方々と共に仕事をしたことを回顧し,また自らが建設に関わった中日友好病院,リハビリセンター、中日青年交流センター及び環境保全センターが設立されて以降も日中協力において長年にわたり大きな功績を挙げてきたことを称え,関係者が築いた強固な基盤が、日中間の新たな次元の協力の足場となり、日中両国が共に「新時代」へと歩みを進めていくことへの期待を表明しました。

集合写真

横井大使挨拶

表彰授与式の様子
続いて,受賞者20名を代表し,劉志誠・元中国対外貿易経済合作部借款局局長が以下のとおり述べました。
  • 日中経済協力は非常に意義のあること。過去40年間において,中国は経済発展のために19カ国から総額約200億ドルの優遇借款を得たが,そのうち日本からの借款は約50%を占めている。約700ある建設プロジェクトのうち,日本からの円借款によるプロジェクトが300を超えた。これらは当時中国で必要とされた大型インフラプロジェクトであった。
  • 当時,山西省の大同市では良質な石炭がとれるが,交通が立ち後れ,輸送できなかった。大同市から秦皇島港までは蒸気機関車しかなく,1回で3千から4千トンの石炭しか運べなかった。円借款を得てから,輸送のために電気貨物列車を使えるようになり,一回で1万トン以上を運べるようになった。また,当時,人力で石炭をコンテナに積みこんでいたが,日本の友人の提案で日本のベルトコンベアー技術を導入した。港の水位が浅く大型貨物船が着岸できなかった問題も,日本の友人の提案で円借款を利用して深水化工事を実施し,石炭の輸出を実現し,国家の外貨備蓄の欠乏を解決した。
  • プロジェクトにより,秦皇島の状況は大きく変わり,皆が日本政府の支援を褒め称えた。日本は資金も融資し,技術もアイデアも提供してくれた。友人でなければこのような支援はしてくれない。その後,秦皇島には円借款の記念碑も設置された。その後,自分は何度も秦皇島を視察した。現在では秦皇島港は観光地にもなっている。
  • ODAにより両国政府の間,また民間で交流が進み,相互理解が深まった。日本からの中国への協力に感謝している。この基盤を若い人たちが引き継ぎ,さらに美しい未来を描くことを期待している。





受賞された劉志誠元局長

劉志誠元局長御挨拶





開場の様子

今回,在外公館長表彰を受けたのは,以下の20名の方々です。
  • 劉志誠 元対外貿易経済合作部借款局長
  • 邸惠芳 元対外経済貿易合作部借款局処長
  • 楊鉄林 商務部国際経済貿易関係司副処長,中国在札幌総領事官,中国在福岡総領事官商務領事
  • 何惠宇 中日友好病院元院長
  • 劉暁勤 中日友好病院元副院長
  • 李秀華 中日友好病院元看護部長
  • 尹勇鉄 中日友好病院元国際医学交流合作処長(現国際交流合作弁公室研究員)
  • 蔡福軍 中日友好病院原国際医学交流処副処長
  • 王玉華 中日友好病院元国際交流合作弁公室研究員
  • 王淑茗 中国リハビリ研究センター外事弁公室元主任
  • 陳小梅 中国リハビリ研究センター外事办公室元主任
  • 中日青年交流センター(機関として表彰)
  • 陳子久 元中日友好環境保全センター建設準備弁公室主任、中日友好環境保全センター顧問
  • 陳燕平 中日友好環境保全センター第二代主任
  • 周能福 中日友好环境保全中心元局長級幹部、党委員会元書記
  • 王桂民 元中日友好環境保全センター建設準備弁公室副主任、中日友好環境保全センター元副主任
  • 程子峰 元中日友好環境保全センター建設準備弁公室副主任、中日友好環境保全センター元副主任
  • 全浩 元中日友好環境保全センター建設準備弁公室副主任、中日友好環境保全センター元チーフエンジニア
  • 欧陽讷 中日友好環境保全センター元チームエンジニア
  • 王占忠 中日友好环境保全センター元チーフエンジニア、中日友好環境保全センター纪律検査委員会元書記
 

八島継男・初代JICA事務所長による乾杯