対中ODA及び日中経済協力に関する功労者に対する在外公館長表彰(2020年9月3日)

令和2年9月8日
横井大使挨拶
 9月3日、大使公邸にて対中ODA及び日中経済協力における功労者7名に対する在外公館長表彰を実施しました。
 表彰授与式において横井裕大使から、1979年に始まった日本の対中ODAが、中国の改革開放に貢献するとともに、日本にも裨益する形で行われてきたことを、自身の対中ODAとの関係を交えながら紹介しました。また、一人一人の功績を称え、財政部、発展改革委員会、商務部(対外貿易経済合作部)、科学技術部(国家科学技術委員会)との協力により、円借款、無償資金協力、技術協力プロジェクトそれぞれが大きな成果を挙げたことを賞賛し、対中ODAが築いてきた基盤が、日中間の新たな次元の協力の足場となり、日中両国が共に地球規模課題に取り組む「新時代」へと歩みを進めることを祈念する旨述べました。
于貞生・元財政部金融司巡視員
于貞生・元財政部金融司巡視員
 続いて、受賞者の一人である于貞生・元財政部金融司巡視員が、概要以下のとおり述べました。
 日本の円借款は中国が得た借款の中では規模が最も大きく、総額300億米ドルに達した。全国の各地で相次いで交通、電力、エネルギー等のインフラ施設及び農業、環境、人材育成等の分野で200余りの重点プロジェクトを実施し、これらのプロジェクトは交通電力等、中国の経済発展を制約していたボトルネックを解決し、プロジェクト実施地域の社会経済の発展を促進した。同時に、円借款は中日両国に利益をもたらし、経済貿易の往来を増大させるとともに、両国の政治、外交家計及び人的交流も発展した。円借款による協力の中で、両国政府の関係部門、実施機関、建設業者等の間での相互理解が進み、良好な協力関係を樹立した。これらの協力プロジェクトを支持し、貢献した全ての人々と友人たちに感謝したい。双方がこれまでの協力を基礎とし、これを受け継ぎ、更に多くの協力の成果を得ることを期待する。
金湘田・元対外貿易経済合作部国際司副司長
 また、金湘田・元対外貿易経済合作部国際司副司長は以下のとおり述べました。
 80年代の中国は、改革開放開始からまだ間もない時期で、発展のためには一つのプロセスが必要だった。日本が中国の発展に協力すべく、最初に対中援助を開始し。ドイツ、オーストラリア、カナダ等他の国も日本に続いて援助を提供し、これは政府借款、技術協力と無償資金協力プロジェクトが含まれていた。後に、これらの業務は対外経済貿易合作部が責任を負うことになった。私は1986年から日本による無償資金協力プロジェクトを担当した。両国政府による重視、双方のプロジェクト実施機関の積極的な努力と協力のもと、我々のプロジェクトは成功を収めた。我々は、中日友好病院、中日青年交流センター、敦煌遺跡保存、各地のテレビ局建設、病院への機材提供など多くのプロジェクトを進めた。1990年代に無償資金協力はピークを迎え、中国国内でも広く知られるようになった。プロジェクトにより両国の人々の間で相互信頼、協力が進んだ。また、JICAが事前調査などで大きな役割を果たしたことも特に指摘しておきたい。
集合写真

 今回、在外公館長表彰を受けたのは、以下の7名の方々です。

  • 于貞生・元財政部金融司巡視員
  • 金湘田・元対外貿易経済合作部国際司副司長
  • 劉 霞・発展改革委員会利用外資和境外投資司元副巡視員
  • 張慧春・元国家科学技術委員会国際科技合作司日本処長
  • 康炳建・商務部国際経済貿易司元五処長
  • 張坤・中日友好環境保護中心元主任(都合によりご欠席)
  • 焦志延・中日友好環境保護中心元副主任(都合によりご欠席)

 リンク:過去の対中ODAプロジェクト一覧