天皇誕生日祝賀レセプションの開催(2021年3月31日)

令和3年4月1日
天皇誕生日祝賀レセプション
天皇誕生日祝賀レセプション
天皇誕生日祝賀レセプション
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天皇誕生日祝賀レセプション
天皇誕生日祝賀レセプション
 3月31日、在中国日本国大使公邸において、天皇誕生日祝賀レセプションを開催しました。

 レセプションには、約320名の招待客の皆様がお越しになり、満開に咲く桜、渡邉聡志・大使公邸料理人による寿司パフォーマンス、日系企業が提供する日本食等、様々な形で日本文化を楽しんでいただきました。また、東日本大震災の発生から10年を迎えたことを踏まえ、被災地の復興の現状等を紹介するパネルを展示しました。

 今回のレセプションは、元号が「令和」に変わって以降、当地で開催する初めての天皇誕生日祝賀レセプションです。また、昨年末の垂大使着任以降、大使公邸で開催するレセプションとしては初めてのものとなります。

 垂大使は挨拶の中で、在中国日本国大使としての意気込み、東京オリンピック・パラリンピック大会及び2022年の日中国交正常化50周年に向けた展望等について述べました。日中関係について、垂大使は、外部環境に影響されない、安定的で建設的な日中関係を構築していく必要があることを改めて強調しました。

 垂大使による挨拶全文は以下のとおりです。

 

徐飛洪・外交部部長助理、
トゥォマタ駐中国サモア独立国大使、
小川良典・中国日本商会会長、
西田昌司・北京日本倶楽部会長、
御列席の皆様、

 本日は御多忙の中、美しい桜が満開に咲く公邸にお越しいただき、誠にありがとうございます。
新型コロナウイルスの影響により、規模を縮小せざるを得ませんでしたが、こうして本日開催できることを本当に嬉しく思います。

 本日のレセプションは、皇位継承に伴い、元号が「令和」に改められてから初めて、当地にて開催する天皇誕生日祝賀レセプションです。「令和」という言葉は、「美しい」を意味する「令」と、「調和」を意味する「和」の二つの漢字から成ります。その上で、「令和」には、「人々が美しく心を寄せ合う中で文化が生まれ育つ」という意味が込められています。
 
 昨年末、北京に着任して以来、中国の友人は昔と変わらぬ温かさで受け入れてくれました。私は、36年間にわたる外交官人生の大半を、中国との関係に注いできており、留学を含めれば今回が5回目の中国赴任となります。駐中国特命全権大使として就任したことを大変光栄に思っています。

 かつて駐中国大使を務めた先輩から、中国を考える上では「群盲象を撫でる」という言葉を忘れないように教えられました。中国は、北京にいるだけでは、到底全体像を把握することはできず、地方を見て回る必要があります。このこともあり、今月、私は天津市及び湖北省を公式に訪問しました。地方訪問を通じて、日系企業が幅広い分野で躍動していることに強く勇気づけられました。日系企業支援と邦人保護を大使館の最重要任務と位置づけ、しっかりと対応して参ります。

 新型コロナウイルス感染症の流行により、昨年は世界的に経済が落ち込み、世界は一変しました。しかし、そんな中にあっても、日中間では、マスクや防護服といった支援物資を送り合いました。日中間には、過去にも、このような心温まる協力が数多く見られました。2008年の四川大地震、10年前の東日本大震災の際には、それぞれの国から国際緊急援助隊が派遣されたほか、たくさんの支援が送られ、日中両国の国民の心を打ちました。

 他方、隣国であるがゆえに、時として互いの意見の違いや摩擦が存在することは自然なことであります。しかし、それを二国間の経済や文化交流、地方間交流に決して影響させてはなりません。だから私は、外部環境に影響されない、安定的で建設的な日中関係を構築していく必要があると訴えています。引き続き、全力で取り組んで参りますので、皆様からも力強いサポートを頂ければ幸いです。

 本年夏には東京オリンピック・パラリンピックを迎えます。日本は、今の時代にふさわしい方法で人々をつなぎ、世界中の人々にとって希望の灯となるような大会とする決意です。そして、東京大会の成功をしっかりと来年初めの北京冬季大会の成功につなげる、その橋渡しの役割を日本の大使として果たしていきたいと考えています。

 さらに、来年には日中国交正常化50周年という、両国にとって大きな節目の年を迎えます。将来を見据え、未来の日中関係を担っていく両国の若い世代を始め、様々なレベルにおける交流が一層深められるよう盛り上げていきたいと考えています。

 結びに、天皇陛下のお誕生日を心からお祝いし、御列席の皆様の御健勝と日中関係の更なる発展を心より祈念して、私からの挨拶とさせていただきます。