「桜よ海棠よ永遠に-周恩来と日中友好」写真展が開幕(2022年9月26日)

令和4年9月27日
「桜よ海棠よ永遠に-周恩来と日中友好」写真展が開幕(2022年9月26日)
「桜よ海棠よ永遠に-周恩来と日中友好」写真展が開幕(2022年9月26日)
9月26日、垂大使及び小泉次席公使は日中国交正常化50周年を記念し北京市内皇城芸術館において開催された、「桜よ海棠よ永遠に-周恩来と日中友好」写真展開幕式に出席しました。

同展覧会は北京大鸞翔宇慈善基金会が中心となって準備、日中両国で同時開催となり、開幕式も日中両会場をオンラインでつなぐ形で実施されました。北京会場には顧秀蓮・第十回全国人民代表大会常務委員会副委員長や周秉徳・北京大鸞翔宇慈善基金会会長等が出席し、東京会場には福田康夫・元日本国内閣総理大臣や孔鉉佑・駐日本中華人民共和国大使が出席しました。

垂大使からは、自身の外交官人生の中で感じた周恩来総理への憧憬及び周恩来総理が成し遂げられた国交正常化という事業を継承することの重みについて触れた祝辞を寄せました。(外交公務で遅れて出席したため、小泉特命全権公使代読。)

開幕式終了後、一行は今回の写真展を参観しました。

なお、本展覧会は、第一部が周恩来総理の青年時代、第二部が中華人民共和国成立から国交正常化以前の民間交流、第三部が日中国交正常化の実現、第四部は日中友好の世代継承をテーマとした四部構成となっており、テーマに即した約200枚の写真を通して、周総理と日中交流の歩みを感じ取れる内容となっています。中国国内では、北京(10月7日まで)の後、淮安及び広州において実施される由です。

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顧秀蓮・中国次世代育成委員会主任、
周秉徳・北京大鸞翔宇慈善基金会会長
指導者、関係者の皆様、こんにちは。
 
本日、日中国交正常化50周年記念「桜よ海棠よ永遠にー周恩来と日中友好」写真展が北京と東京を繋いで開幕されますことを、心よりお慶び申しあげます。
 
さて、周恩来総理と言えば、歴史的に著名な政治家であると共に卓越した外交家でもあります。その戦略的思考、人格の高さ等から、中国にとどまらず、日本においても広く尊敬されておられます。かく言う私も、一外交官として、周恩来総理を慕う者の一人です。私事で恐縮ですが、私は京都大学の出身であり、嵐山の亀山公園にある「雨中嵐山」の詩碑はこれまで何度参観したか数えきれないほどであります。
 
また、中国大使として着任後、地方への最初の公式訪問地として天津に参りましたが、その際、周恩来鄧頴超紀念館は最も訪れたかった場所でありました。同紀念館では、中南海の「西花亭」が復元されており、周恩来総理生前の情景を想起させてくれました。もっとも周恩来総理が愛した海棠の花は、その時期に咲いていませんでした。海棠の花については、後に宋慶齢故居の「西府海棠」を見て、当時に思いをはせた次第です。
 
さて、本年は日中国交正常化50周年の記念すべき年に当たります。中国には「飲水思源」という素晴らしい言葉があります。私は本年4月、公邸の桜が満開の時期に、国交正常化とその後の日中関係発展に貢献された関係者の御家族を公邸に御招待し、共に親交を深める機会を持ちました。もちろん、周秉徳会長をはじめとする、周恩来総理の御親族にも、老若男女問わず、数十名の方々に参加していただきました。
 
その際、とても感動的な情景に遭遇しました。それは、周秉徳会長の曾孫たちと当館若手館員の子供たち、双方とも未就学児ですが、彼らが一緒になって公邸の桜に囲まれた芝生の上を走り回っている姿でありました。日中の無垢の子供たちが言葉は通じなくとも、手を取り合って楽しく遊びまわる情景は、まさしく日中関係が新しい世代に引き継がれていく象徴的な光景であり、見ていてとても感動的で、そこに日中関係の理想の将来像を感じとりました。
 
50年前に周恩来総理が実現された日中国交正常化。
その後の日中関係は必ずしも平坦な道ばかりではなく、現在も種々の困難に直面しています。ただ、現在、日中関係に責任を持つ立場にある我々としては、常に理想を胸に抱きながら、一歩づつでも日中両国の間で建設的かつ安定的な関係を構築していく必要があると決意を新たにしています。
 
最後に、今回の写真展の盛会と日中間の相互の理解、信頼、尊重を一層深める契機となることを祈念し、挨拶とさせていただきます。