長崎県・福建省友好県省締結40周年オンライン記念式典の開催(2022年9月29日)

令和4年9月29日
長崎県・福建省友好県省締結40周年オンライン記念式典の開催(2022年9月29日)
長崎県・福建省友好県省締結40周年オンライン記念式典の開催(2022年9月29日)
9月29日、垂大使は、長崎県と福建省の友好協定締結40周年を記念するオンライン式典でビデオメッセージによる挨拶を行いました。

垂大使は、長崎県と福建省は、共に日中交流の架け橋として古くから大きな功績を残しており、空海、鄭成功、隠元等日中両国の「互いに助け合う人間ドラマ」の舞台となってきたことに触れつつ、こうした「人間ドラマ」を後押しする自治体交流の取組は重要であり、最大限支援していく旨述べました。

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本年は日中両国が1972年に国交を正常化してから50年という重要な節目の年に当たります。こうした時期に、長崎県と福建省の友好県省締結40周年を迎えられたこと、心よりお慶び申し上げます。

長崎と福建は、共に日中交流の架け橋として古くから日中交流史に比類なき偉大な功績を残しています。古くは、804年、空海が乗船していた遣唐使船は、現在の長崎県五島市から出港しましたが、嵐に遭遇し、福建赤岸に漂着しました。その後、空海は、長安に入る前に、一か月強、福州の開元寺に滞在しました。
また、1604年、長崎平戸で生まれた鄭成功は、7歳のとき、単独、父鄭芝龍がいる福建に移りました。その後の鄭成功の活躍は説明するまでもありません。中国福建の英雄である鄭成功は、日本長崎の英雄でもあります。

更に、長崎と福建の間の絆として忘れられないのは、1654年に福清の黄檗山万福寺から長崎の興福寺に招かれた隠元の渡日でありましょう。隠元は当時、最先端の仏教だけでなく、文化、生活様式、芸術を広く日本に伝え、これらは「黄檗文化」として高く評価されました。

このように見ていくと、何千年にわたる歴史を舞台にした長崎と福建の交流史は、壮大なロマンと「互いに助け合う人間ドラマ」により紡がれて織りなされてきたことがわかります。
こうした「人間ドラマ」を後押しする自治体交流は、日中関係の絆を更に深めていく上で、欠くことができない重要な役割を担っています。特に、福建省は風光明媚な上、経済的にも潜在的な可能性を大いに秘めております。
昨年11月に、私は福建省を公式訪問し、尹力書記との間で日本、とりわけ長崎県と福建省の間の更なる協力について深い意見交換をさせていただきました。今後とも、微力ながらも長崎県と福建省の交流を最大限支援してまいりたいと考えています。
 
最後になりますが、長崎県と福建省の皆様のより一層の御発展と、御列席の皆様の御健勝をお祈りするとともに、日中関係の更なる発展を心から願って、私の挨拶とさせていただきます。