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新京報インタビュー(13.01.19)(仮訳)

 

木寺昌人新任駐中国日本国大使が新京報記者の単独インタビューに応じ、日中関係の見通しを語る
新駐中国日本国大使:政治関係の改善を強く望む

 

 

(图片来源:新京报)

 

 2013年の年始、どん底にある日中関係は、現在の天気のように冷え込んでいる。膠着状態の尖閣諸島(中国語記事原文では「釣魚島」、以下同)問題、日中のナショナリズムの高揚、政冷経涼の局面……


 このような背景のもと、日中関係はどこへ向かうのか。先日、着任からまだ半月の新任駐中国日本国大使、木寺昌人氏に北京で本紙記者が単独インタビューを行った。

 

日本のボトムラインを申し上げることは難しい

新京報:在中国大使に任命されることを知った時、驚かれたか。プレッシャーは大きかったのでは。

 

木寺:在中国大使の任命の話を聞いたとき、一番驚いたのはおそらく自分だと思う。私は日本外務省で37年間外交官を務めた。在中国大使に任命ということで、私は引き受けた。今は非常に元気とやる気に満ちており、これから全力で取り組みたい。

 

新京報:中国に来られる前に、安倍総理や前任の丹羽大使からどのようなことを言われたか。

木寺:安倍総理からは、「頑張って欲しい」と言われた。丹羽大使からは、仕事の引き継ぎを受けたが、厳しい雰囲気であるということもお話いただいた。丹羽大使は、私に駐中国日本国大使館は、世界で最大規模の日本大使館であるから、大使館全体の力を使って、努力して欲しいと言われた。

 

新京報:尖閣諸島問題により、日中関係は真冬のように冷え込んでいる。着任されて、今の抱負をお聞かせいただきたい。

木寺:特定の問題によって、日中関係全体が冷え込む状況になることは、双方の国民の利益にはならない。中国には中国独自の主張があることは承知しているが、と同時に中国の皆様に注意いただきたいことは、日本には日本の立場があるということである。駐中国日本国大使として、私の一番の任務は、日中友好関係を拡大、発展させることである。大局に立ち、日中関係を取り扱うことを、今後中国の要人や各界の方々に表明したい。日中関係を発展させることは、双方の利益に合致している。領土をめぐる状況は難しい。しかし、現在、日本の外務省と中国の外交部が意思疎通を行っている。時間はかかるかもしれない。しかし、双方がよく話し合い、適切な出口を探すことは可能である。

 

新京報:日本の領土問題におけるボトムラインはどこか。

木寺:現在、日本の外務省と中国の外交部が意思疎通を行っている。双方が受け入れ可能な出口を探すことはとても難しい。現在、私から日本のボトムラインがどこかと申し上げることは難しい。

 

日中経済が冷たくなれば世界に影響を及ぼす

新京報:現在の状況下で、日中関係を発展させるために何ができるでしょうか。

木寺:日中両国は隣国であり、経済交流と人的往来はとても多い。我々は政治上の困難な局面をコントロールして、経済関係を発展させ、人的往来、文化交流を増やさなければならない。これが双方の利益に合致する。

 

新京報:大使は以前、「政治関係が冷たくても、経済関係は熱くすべき」と言われました。政治関係が冷たすぎても、経済は熱くできるでしょうか。

木寺:政治関係が冷たいことは決して良いことではない。私は政治関係が改善することを強く希望している。たとえ政治的に難しいことが起きたとしても、日中関係全体にマイナスの影響を与えるべきではない。日中両国はそれぞれ世界第3位と第2位の経済大国であり、両国の経済関係が冷たくなれば、世界経済に影響を及ぼす。日中両国がいかに経済協力を進めるかは、世界経済全体にとっての注目点となっている。
 日中の経済関係は緊密である。日本で多くの日系企業の幹部と会ったことがあるが、みな中国で中長期的な業務を望んでいた。自分は日中韓FTA交渉などを推進することで、投資環境整備と友好的な雰囲気づくりに努力したい。

 

日本の政治が右翼化していると判断するのは時期尚早

新京報:一部の報道の分析では、日本の政治には右翼化勢力が出現している。大使はどう見られるか。

木寺:メディアの報道だけに基づいて日本が右翼化していると判断し、批判するのは、事実と全く合致しない。今後の安倍内閣がどのような政策を実施するのか、詳細によく観察して欲しい。

 

新京報:しかし、安倍総理本人を含め、新しい内閣には何人かの右傾化した立場の閣僚が入っている。大使の言われたことは、現在日本の政治が右傾化していると判断するのは、時期尚早ということか。

木寺:そうである。左も右も相対的な概念である。ある政権が右か左かと判断するには、その実際に採用する政策を詳細に観察する必要がある。

 

新京報:日本の安倍晋三総理は、平和憲法を改正すると表明しているが、ある民意調査によれば、日本国民はこの件にそれほど関心を持っていない。大使はどのように見ているか。もし平和憲法を本当に改正すれば、アジアそして世界の平和と安定にどのような影響が出ると思うか。

木寺:衆議院選挙の際の安倍総理の選挙公約で憲法改正に言及があるが、このテーマは日本ですでに長く討論されてきている。日本は憲法改正の過程で、必ず日本国民の希望を反映するし、手続き上もそうなっている。まずは、どのような改正をするかを見て、初めて判断することができる。
第二次大戦後、日本は平和愛好国家として、アジアの平和と繁栄に大きな貢献をし続けてきた。これは日本国民が支持する国の方針である。我が国は、今後もアジア太平洋地域の平和と安定に引き続き貢献する。この方針が変わることはない。

 

安倍総理は中国を重視

新京報:安倍総理は就任後、本人と高官らは相次いで多くのASEAN諸国を訪問し、今後も米国とロシアへの訪問も計画している。安倍政権の外交上の「中国包囲網」であるとの分析もあるが、これはどういうことか。

木寺:私はいわゆる「中国包囲網」が何を意味しているか分からない。安倍内閣が主に力を入れている課題は国内の経済対策であり、各国の指導者と良好な関係を構築することが外遊の目的である。あなたは現在の外遊計画に中国が入っていないと言われたが、それは安倍内閣が中国のことを考慮していないということを意味しない。私は安倍総裁(当時は総理就任前)にお会いしたが、安倍総裁から私に対して、「中国を重視している。中国は最も重要な二国間関係の一つである」と言われており、中国を大変重視している。ただし、首脳レベルの訪問は、時期尚早である。

 

新京報:今年は日本のハイレベルによる訪中計画はあるか。

木寺 日中間でできるだけ早くハイレベルの交流が実現することを希望している。

 

新京報:大使は日中間の民間にあるナショナリズムの問題についてどう見ているか。

木寺:どのような国であれ、狭隘で不健全なナショナリズムが蔓延することは、対外関係に良い影響をもたらさない。相手側の自国に対するイメージを向上させるために、日中双方は交流の促進、とくに若者同士の交流を推進することがとても重要である。

 

新京報:大使が赴任されてから、街をあちこちまわられたり、一般市民の声を聞いたりしたか。

木寺:北京のタクシーにはまだ乗ったことはないが、デパートでショッピングをしたことはある。北京の人は明るく、街はとても賑やかだった。中国人の考え方にも色々あるので、日本の良い思い出がある人もいれば、日本に対してそうでない考え方を持つ人もいるだろう。日中国交正常化以来、日本は積極的に中国の改革開放を支持し、中国経済の発展を積極的に推進した。21年前、天皇皇后両陛下が初めて訪中し、中国の友人に熱烈な歓迎を受けた。中国の皆さんには、こうした日中協力の良い思い出を思い起こしていただき、未来に向かって日中関係を推進することを願っている。

 

当時中国語の勉強を諦めたことをとても後悔している

新京報:大使は日本外務省の「チャイナ・スクール」出身ではないが、ご家族は中国との縁が深いとお聞きしており、お話を伺いたい。

木寺:私の母は大連で生まれ、今年85歳になるが、健康である。母は、1941年に日本に帰国した。8、9年前、母は大連に一度帰って、当時の同級生とお会いした。母はとても感動し、今でもこの話をすると、涙を浮かべる。私も将来、大連を訪問してみたい。私の誕生日は10月10日で、私の父は、私の名前をつける時に、この日が辛亥革命の日にあたることを思いついた。私の名前「昌人」の「昌」の字は、武昌から取ったものである。

 

新京報:大使はどこで中国語を勉強されたのか。

木寺:これは内緒の話だが、大学一年生の時に中国語の授業を受けたことがある。一週間に一度の授業で、当時の先生の名前も覚えている。勉強しているうちに、複雑な文法の問題が出てきて、私は勉強を諦めてしまった。今は非常に後悔している。

 

新京報:大使は中国語を聞いてお分かりになっていると思うが。

木寺:分からない(中国語「不明白」)。少しだけ(中国語「一点点」)。(笑)

 

木寺昌人

 濃い灰色のスーツ、淡い色のネクタイ、縁なしのメガネ、太っちょの新任駐中国日本国大使、木寺昌人氏の話し声は大きくないが、ただとても真剣であった。
 昨年12月25日に中国に着任した木寺大使は、家族は中国と深いかかわりを持っているが、本人は決して「中国通」ではない。彼は大使の任命を受けたときには「非常に驚いた」が、「今は元気とやる気に満ちており、これから全力で取り組みたい」と語った。
 木寺昌人大使は、1952年生まれ、東京都出身、東京大学卒、1976年に日本外務省入省、フランス語が堪能。アフリカ審議官、国際協力局長等を歴任し、2012年9月に内閣府副官房長補(次官級)に就任。2012年11月、日本政府は木寺昌人氏を新任の駐中国日本国大使に正式任命した。

 

インタビュー記事原文:http://epaper.bjnews.com.cn/html/2013-01/19/node_23.htm

 

 


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