中国における大気汚染について

令和2年3月16日
目次

1.中国における大気汚染について
(PM2.5について及びその対策、環境基準等について載されています。)
 
2.大気汚染に関するQ&A(講演会で多かった質問とその答え)
 
3.情報源
(環境省、当館からの情報、中国全土・北京の大気汚染に関する情報へのリンクが貼られています。)
 

1.中国における大気汚染について


中国各地で深刻な大気汚染が発生している大気汚染の状況について、中国環境保護部のホームページ等(後述)でお住まいになっている地域の汚染状況が確認できます。日々の大気汚染の状況を確認し、以下を参考に対応をとられることをおすすめします。
 
PM2.5とは
大気汚染で特に問題となっているのは「粒子状物質(PM10,PM2.5)」です。粒子状物質には,工場のばい煙,自動車の排気ガスなどの人為由来,黄砂,森林火災など自然由来のものがあります。また,粒子として排出される一次粒子とガス状物質が大気中で粒子化する二次生成粒子があります。粒子状物質は,PM10(直径10ミクロン以下),さらにはPM2.5(直径2.5ミクロン以下)と,粒子の直径が小さくなるほど,肺の奥,さらには血管へと侵入し易くなり,現在問題になっている「PM2.5」は,直径が人の髪の毛の約40分の1という微粒子で,肺の奥,さらには血管まで侵入し,ぜんそく・気管支炎,肺がんや心臓疾患などを発症・悪化させ,死亡リスクも増加させるといわれています。 高齢者や子供,肺・心臓に疾患のある方は,大気汚染に対してより高いリスクを有するため,特に注意が必要です。
 
大気汚染から身を守るために(後述のQ&Aも参照下さい。)
  • 汚染の激しい日(環境省暫定指針:70μg/m3以上、米国の大気汚染指数(AQI150強)、中国の大気汚染指数(AQI)100弱に相当)は、不要不急の外出や屋外での長時間の激しい運動をできるだけ減らす(呼吸器や循環器に疾患のある方、高齢者・子供は、体調に応じ、より慎重な行動が望まれる)。
  • 外出する場合は、PM2.5対応マスクを着用する。
  •  帰宅後は、手洗いやうがいを徹底する。
  •  室内には、空気清浄機を設置する。
  •  ドアや窓を閉め、風が通る隙間もふさぐ。
  • たばこなど他の汚染源や、過労にも注意。
 

2.大気汚染に関するQ&A(講演会で多かった質問とその答え)

Q1.中国では、日本の暫定基準(70μg/m3)を大きく超える日があるが、その際の対策は?
A 150μg/m3以上(米国/中国AQI:201以上に相当)の高濃度の場合は、米国、中国AQIの健康アドバイス等を参考に、更に慎重な対応を心がけて下さい。(呼吸器や心臓に疾患のある方、高齢者・子供は、極力外出を避けるとともに、屋内で空気清浄機を使用することが望まれる。)。
 
Q2.どのようなマスクを着用したらよいですか?
A PM2.5対応のマスク着用をおすすめします。マスクのPM2.5への対応については、メーカーが公表する第三者審査機関での測定データにより確認してください。例えば「N95」規格のマスクは、PM2.5を95%以上遮断するとされています。
 
Q3.室内での対策はどのようにしたらよいでしょうか?
A 空気清浄機を設置することをおすすめします。空気清浄機は、PM2.5対応の空気清浄機が望ましく、空気清浄機のPM2.5への対応については、メーカーが公表する第三者審査機関で測定データにより確認して下さい。
 
Q4.企業では1年に1回定期健康診断を行っているが、大気汚染に関連して追加して行った方がよい項目があったら教えて欲しい。また、間もなく日本へ帰国する予定だが、子供を含め胸のレントゲンやCTなどで肺機能の検査を行った方がいいか?
A 肺に炎症等がある場合は、レントゲンやCTが有効ですが、肺機能を検査するためにはスパイメトリ(1秒率の計測)等を行うことをおすすめします。また、被曝量に配慮しつつ軽線量の肺CTスキャナーも有効です。
 
Q5.PM2.5の基準がWHOの基準、日本・アメリカ及び中国と違うが中国の基準がゆるいということなのでしょうか?
A WHOは指針値に加えて3段階の暫定基準を定めています。中国はこのうち第一段階・暫定基準を採用しています。
 

3.情報源

(1) 環境省

(2)大気汚染データ

(3)外務省、在中国総領事館

外務省(海外安全ホームページ)、在中国の日本総領事館等でも関連の情報(講演の案内を含む)を掲載しております。